蔡英文総統がイカオ総会に台湾が参加できなかったのは「中国の圧力」と言明!

蔡英文総統は9月29日、民進党の結党30周年に合わせて発表した党員向けの「民進党党員への書
簡」の中で、「我々は中国の圧力に抵抗し、他の国との関係を発展させる」「中国への過度な依存
から脱却して健全で正常な経済関係を築かねばならない」と訴え、国際機関への加盟問題などで、
台湾に圧力を加えているのが中国であることを初めて明らかにした。

 また、具体的に、台湾が今年の国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation
Organization イカオ)総会に参加できなかったのも中国の圧力によることを明らかにした。

 NHKは10月1日に台北で開かれた学術会議で蔡総統が「台湾が外に出て行こうとすると中国大
陸からの大きな圧力に直面する。ICAOの総会への参加が阻まれた事は、その最もはっきりとし
た例だ」と述べたことを伝えている。

 蔡総統はまた「台湾の参加に向けては、アメリカや日本などからさまざまな形で支持の表明が
あった」とも述べたという。

 一方、2013年の前回の総会には議長招待のゲストとして参加できたのに、どうして今回は参加で
きず、台湾メディアの取材も拒否される事態になったのかについて、Record Chinaが「事務局長
(任期3年)は2015年に就任した中国人女性の柳芳氏。中国人の事務局長選出は初めてだった」と
報じ、この中国人事務局長が中国政府の意向を受けて動いたのではないかとにおわせている(下
記)。

 中央通信社も、柳芳事務局長について「国際民間航空機関(ICAO)の総会に出席している各国・
地域の代表が、中国大陸籍の柳芳氏がトップを務める同機関の事務局から台湾に関する発言を禁止
し、言及した場合にはマイクの電源を切ると警告を受けていたことが29日、分かった」と伝えてい
る。

 これで思い出すのが、香港出身のWHO(世界保健機関)事務局長のマーガレット・チャン(陳
馮富珍)だ。マーガレット・チャンは中国政府の推薦により2007年に事務局長に就任している。

 台湾は長らく中国の反対でWHOに加盟できていないが、馬英九政権のときにようやく「中華台
北(チャイニーズ・タイペイ)」の名称でWHOの年次総会(WHA)にオブザーバー参加できる
ようになった。ところが、マーガレット・チャン事務局長がWHO内部では「中国台湾省」と呼ぶ
ように内部通達していたことが発覚したのだった。中国寄りの政策を進めていた馬英九政権では
あったが、これには黙っていなかった。台湾の民意を受けて抗議した。しかし、未だに改められた
とは聞かない。

 台湾の国際民間航空機関の総会に参加できなかったことについては、朝日新聞も「航空の安全に
かかわる問題に、こうした形で影響を及ぼすのは穏当ではない」と、10月2日の社説で中国を非難
している。

 社説は「7月にあった国連食糧農業機関(FAO)水産委員会の会議でも、中国の圧力で台湾代
表が出席できなかった」ことや「03年に新型肺炎が流行した際、多くの感染者を出した台湾が加盟
していないため、WHOの対応が後手に回った。それでも中国は加盟に反対し続け、批判を浴び
た」ことを紹介しつつ、「日本を含む大半の国から国家と認められていないとはいえ、台湾は国際
社会で様々な責任を担っている。とくに安全や民生に関わる分野で台湾の活動を妨げることは厳に
慎むべきだ」と指摘している。

 至極まっとうな見解であろう。


ICAO総会から台湾締め出し、中国が独立志向の蔡英文政権に圧力? 台湾メディアの取材も拒否
【Record China:2016年10月1日】

 2016年9月30日、台湾が27日にカナダ・モントリオールで開幕した国際民間航空機関(ICAO)の
年次総会から閉め出された。ICAOは台湾メディアの取材も拒否した。台湾は国民党・馬英九総統時
代の3年前の総会には特別ゲストとして参加が認められていた。独立志向の強い民進党・蔡英文政
権に中国が圧力をかけたとみられる。

 ICAOは民間の航空機に関するルールを定める国連の専門機関。1947年に発足し、加盟国は191カ
国。日本は56年の国連加盟に先立って53年に加盟した。事務局長(任期3年)は2015年に就任した
中国人女性の柳芳氏。中国人の事務局長選出は初めてだった。

 総会は3年ごとの開催。1971年の国連脱退後、ICAOのメンバーとしての資格を失った台湾は運
航・管制の国際基準などの情報を他国を通じて入手してきたが、前回2013年の総会を前に馬政権は
参加に向けてロビー活動を展開した。「一つの中国」の原則を中台双方が口頭で認め合ったとする
「92年合意」を中国側と共有するなどの融和政策も奏功。五輪などと同じ「中華台北(チャイニー
ズ・タイペイ)」の呼称を使い、特別ゲスト扱いで参加した。

 ところが今回の総会に関しては、9月下旬になってもICAOから台湾に招待状が届かないまま。蔡
総統は「台湾に対する極めて不公平な待遇だ」と反発し、李大維外交部長(外相)も「強烈な遺憾
と不満」を表明した。対中政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会は「国際機関への参加に政治
圧力を加えるやり方に強烈な不満を表明する」とのコメントを出した。

 台湾締め出しはメディアにも波及。中央通信社によると、同社の記者が取材証の申請を試みた
が、ICAOの担当者は「数日前に関連部門からの通達があった。中央通信社は台湾メディアのため、
あなた(記者)がカナダのパスポートを持っていても、取材証を渡すことはできかねる」と語った
という。

 ICAOは3年前にも、「一つの中国」を支持するとして台湾メディアの取材申請を拒否。しかし、
その際は台湾新聞記者協会が報道の自由に違反するとして抗議し、外交部の尽力や台湾の出席が決
まったこともあり、取材が認められていた。

 一方、中国外交部の陸慷報道局長は「ICAOは国連の専門機関であり、(主権国家でない)台湾に
参加の権利はない」と述べ、認めない考えを強調。中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公
室の報道官も「台湾側が参加できない状況は、完全に民進党当局がつくり出したものだ」と批判す
る談話を発表した。

 台湾が国際会議に参加を拒まれるケースは、今年1月の総統選挙で蔡氏が勝利してから顕著に
なっている。台湾メディアによると、4月にブリュッセルで開かれた経済協力開発機構(OECD)の
鉄鋼に関する会合で、中国が出席させないよう要求。国連食糧農業機関(FAO)の水産委員会が7月
にローマで開いた会合でも、行政院農業委員会漁業署(水産庁に相当)が派遣した職員2人が中国
関係者の圧力で出席を拒否された。(編集/日向)

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