蔡焜霖さんを主人公にした漫画『來自清水的孩子』が台湾で出版

蔡焜霖さんを主人公にした漫画『來自清水的孩子』が台湾で出版

 白色テロの被害者の蔡焜霖(さい・こんりん)さんには、「台湾歌壇」代表で、2017年7月にお亡くなりになった蔡焜燦(さい・こんさん)さんともども、本会はとてもお世話になっています。

 お二人には李登輝学校研修団の講師を何度もつとめていただきました。蔡焜燦さんにはほぼ毎回、研修団の締めとなる最終日の講義をつとめていただきました。

 蔡焜霖さんには、無実の罪で10年間も投獄されたた緑島で生々しい体験談をお話しいたき、国家人権博物館にもご案内いただきました。生まれ故郷の台中市の清水(きよみず)をご案内いただいたこともあります。

 その蔡焜霖さんの半生が台湾で『來自清水的孩子』(清水から来たこども)と題して漫画化され、3月3日に慢工文化出版社から発売されたそうです。漫画は4冊に分かれ(第1冊「 愛讀冊的少年」、第2冊「緑島十年」、第3冊「王子時代」、第4冊「化作千風」)、台湾ではクラウドファンディングサイトの「嘖嘖」から購入できるそうです。

 下記に紹介する中央通信社の記事によれば「他言語版への翻訳出版も目指しており、出版社は同サイトで支援を募っている」そうで、日本ととても縁が深い蔡焜霖さんのこの漫画が日本語に翻訳されることを願っています。

◆クラウドファンディングサイト 嘖嘖:來自清水的孩子 https://www.zeczec.com/projects/son-of-formosa

◆慢工文化出版社 https://www.facebook.com/sloworkpublishing/

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蔡焜霖(さい・こんりん)昭和5年(1930年)、台湾台中州清水街(現台中市清水区)に生まれ、台中一中在学中、読書会に参加したことで、卒業後の1950年9月に逮捕。非法組織参加の罪で懲役10年の刑を課せられ、台湾本土の拘置所で8ヵ月、残り9年4ヵ月は火焼島(緑島)で服役。1960年9月に釈放後、淡江大学フランス文学科に学び、1966年に児童誌を創刊。1968年に台湾東部僻地の紅葉小学校の少年野球チームを援助して全国大会で優勝させたことにより台湾少年野球の黄金時代を現出する契機を作る。その後、実業界で活躍。現在、流暢な日本語を駆使して翻訳やガイドに活躍。蔡焜燦氏は実兄。

—————————————————————————————–白色テロ被害者を主人公にした漫画が刊行「台湾の歴史知って」【中央通信社:2020年3月4日】https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202003040001.aspx

 (台北中央社)戦後の戒厳令下で横行した白色テロの被害者、蔡焜霖さんを主人公にした漫画「来自清水的孩子(仮訳:清水から来た子ども)」が3日、刊行された。出版を手掛けた慢工文化出版社の黄珮珊社長は、台湾の歴史に自然な形で触れることができるとし、平凡な人物の命の物語を通して台湾をより知ってほしいと語った。

 戒厳令下の台湾では、戦後に台湾に渡ってきた国民党政権によって政治活動や言論の自由が厳しく制限され、多くの市民が投獄、処刑された。日本統治時代に中部・台中清水で生まれた蔡さんは、高校生の頃に読書会に出ていたことが非合法組織への参加に当たるとして1950年、懲役10年の判決を言い渡された。翌年には当時水道も電気もなかった離島・緑島に送られ、屋外労働に従事させられた。

 漫画は全4冊で、少年期、緑島での10年間に加え、服役を終えた後、子供向け雑誌を創刊し失業した受刑者仲間を救ったことや、白色テロの恐ろしさを伝える取り組みなど、時代の変遷とともに蔡さんが送ってきた人生を伝えている。歴史的建造物や服装など時代考証にも力が注がれた。

 作画は絵本作家の周見信さんが手掛けた。4冊それぞれ異なる手法と色彩を用い、当時の様子と蔡さんの心境が伝わる表現を心掛けたという。セリフには当時の台湾を再現するため、台湾語や日本語、中国語が使われており、台湾語の監修には台湾語作家の鄭順聡さんが起用された。

 同作はクラウドファンディングサイト「嘖嘖」で購入できる。他言語版への翻訳出版も目指しており、出版社は同サイトで支援を募っている。

(鄭景ブン/編集:楊千慧)

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。

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