和田有一朗議員が「日中共同声明」に関する質問主意書を提出

和田有一朗議員が「日中共同声明」に関する質問主意書を提出

 本誌では、外務委員会において台湾や日台関係、日中共同声明などに関する質疑を積極的に繰り出している和田有一朗・衆議院議員(日本維新の会)に注目し、これまで何度か質疑内容をご紹介してきた。

 先般10月28日の外務委員会でも、住民票問題を取り上げ、台湾への転出や台湾からの転入に際し、自治体によっては「中華人民共和国」や「中国(台湾)」と表記されていることについて下記のように質疑した。

<我々が公的な文書に台湾の人のことを中華人民共和国という打ち方をしてしまうと、我々自ら、台湾に起こっていることは中華人民共和国の国内問題であるということを認めることになるんです。分かりますかね、このロジック。  台湾有事が起こって中国軍が台湾に攻めてきたときに、いや、それはそんなことをしちゃいけません、こんなことをやっちゃいけませんと言ったら、何を言っているんですか、日本さん、あなたたちはちゃんと台湾のことを中華人民共和国台湾省と書いているじゃない、公的に認めているじゃない、公的に国内問題だと認めているじゃない、内政干渉でしょうと切り返されちゃうわけですよ。そういうロジックが成り立つわけですよ。分かりますよね。>

<戸籍の問題なんて特にそうです。台湾から来た人の元の国籍はと書くところに中華人民共和国台湾省と書いていたら、我々は台湾というあのフォルモサの島は中華人民共和国の一部だとはっきりと公的に書いているようなことになってしまうわけです。これではまずいと思うんですが、いかがお考えになりますか。>

 これに対しての林芳正外務大臣の答弁は、いつものパターンで「台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います」と述べ「政府としては、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくという従来からの立場を踏まえて、双方の民間窓口機関の間で対話や取決めを積み上げてきておりまして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております」と答になっていない答弁。

 和田議員はまともに答弁しない政府側の対応に満足できなかったようで、これまでも外務委員会で何度も質疑してきた「日中共同声明」に関して、去る11月14日、「『日中共同声明』に関する質問主意書」を衆議院議長に提出した。

 ご存じのように、議長の承認を受けた質問主意書は、内閣に転送され、内閣は質問主意書を受け取った日から7日以内に答弁しなければならない。和田議員の質問主意書は11月21日に内閣に転送されたから、11月28日に閣議決定を経た内閣総理大臣による「答弁書」として議長に提出されるはずだ。

 和田議員の「『日中共同声明』に関する質問主意書」を下記にご紹介したい。「答弁書」を楽しみに待ちたい。「答弁書」が確認でき次第、本誌で結果報告したい。

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令和四年十一月十四日提出質問第二五号

「日中共同声明」に関する質問主意書

提出者 和田有一朗

 本年は、日本国政府と中華人民共和国政府が一九七二年九月二十九日に「日中共同声明」に調印したことを以て国交を樹立した節目の年に当たる。この日、「日中共同声明」に署名した当時の大平正芳外務大臣は北京プレスセンターにおいて記者会見を開き、その最後に「共同声明の中には触れられておりませんが、日中関係正常化の結果として、日華平和条約は、存続の意義を失い、終了したものと認められる、というのが日本政府の見解でございます」と述べ、中華民国との断交を表明した。

 ただし、大平外務大臣は、「日中共同声明」第三項について、調印した翌九月三十日の自民党両院議員総会において「両国が永久に一致できない立場を表した」と述べ、台湾の地位について日本と中国の考えが相容れないことを表明した。

 しかし、中国の李克強首相は「日中共同声明」について「一つの中国の原則を堅持するという重要な態度を含めた」(二〇一八年十月二十五日の日中平和友好条約締結四十周年記念レセプション)と述べているように、中国政府は事あるごとに「『一つの中国』原則を厳守し、中国への内政干渉を直ちに止め中国の利益を損なうことを直ちに止めるよう要求する」(「人民網日本語版」二〇二一年四月十九日)などと述べている。

 一方、昨年来の日米首脳会談やG7の共同声明などで、中国による東シナ海や南シナ海における一方的な現状変更の試みに強く反対し、香港における動向や新疆ウイグル自治区における人権問題についても深刻な懸念を表明した。また「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」ことが表明されている。

 台湾海峡の平和と安定や台湾有事に関心が高まる中、去る七月に凶弾に斃れた安倍晋三・元総理は昨年十二月、台湾向けの講演で「台湾有事は日本有事すなわち、日米同盟の有事でもある」と指摘した。

 このような状況を踏まえ、日中と日台関係を規定する「日中共同声明」を発出してから五十年に当たることから、以下「日中共同声明」に関する政府の認識を確認するために質問する。

一、第三項に記す「十分理解し、尊重」とは、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを「承認」 したということか。承認したのか否かを明らかにされたい。

二、日中共同声明では「一つの中国の原則を堅持する」と合意しているのか。合意したのか否かを明らかにされ たい。

三、大平外相の「永久に一致できない立場」とは、どのような立場か。政府見解を示されたい。

四、日本は一九五一年に調印したサンフランシスコ平和条約の第二条に従い、台湾及び澎湖諸島に対するすべて の権利、権原及び請求権を放棄し、台湾の領土的な位置づけに関しての独自の認定を行う立場にはないという 政府見解を表明している。  それにもかかわらず、その後の「日中共同声明」第三項では、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部 であることを重ねて表明した中華人民共和国政府の立場に対して「十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項 に基づく立場を堅持する」と、台湾の領土的な位置づけに関する政府見解を逸脱するような立場を表明した。  日中共同声明における日本政府の立場は、日本政府の台湾の領土的な位置づけに関する見解を逸脱している のではないか。逸脱していないとするなら、その理由を明らかにされたい。

五、第六項に「すべての紛争を平和的手段により解決し、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」 とある。すべての紛争には台湾有事も含むと考えられる。中華人民共和国は「日中共同声明」において台湾統 一は武力に訴えないことを日本に約束したのではないか。

 右質問する。

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