リトアニアのワクチン無償提供に台湾の人々が慈善団体への寄付で恩返し

リトアニアのワクチン無償提供に台湾の人々が慈善団体への寄付で恩返し

 バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)で国の西がバルト海に面するリトアニア共和国は、国際連合や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)、経済協力開発機構(OECD)などに加盟する人口280万人ほどの北欧の小国。

 旧ソ連の連邦構成国ながら独立国家共同体(CIS)には加盟しておらず、ロシアと距離を置く。また、中国が主導する中国中東欧首脳会議議の加盟国だったが、リトアニア議会は今年5月下旬、新疆ウイグル自治区のウイグル族への中国政府による圧力をジェノサイド(民族大量虐殺)と認定する決議案を可決、中国中東欧首脳会議議からの離脱を宣言している。

 一方、6月22日には台湾に英アストラゼネカ製ワクチン2万回分を無償提供することを決定した。これに対して蔡英文総統は「バルト海からの友情は非常に貴重だ」と歓迎のメッセージを出している。

 台湾の人々もリトアニアに感謝の気持ちを伝えるため「海外の寄付サイトを通してリトアニアの慈善団体に寄付を行っている」という。Taiwan Today誌が伝えているので下記にご紹介したい。

 また、李登輝元総統を支援していた義美食品は「リトアニアに感謝をしようと、自社の人気商品『パフ』(小泡芙)4万3200箱をリトアニアに届ける。商品のパッケージには特別に中華民国とリトアニアの国旗をデザインしたほか、リトアニア語と英語で『ありがとう、リトアニア』のメッセージを印刷した」と中央通信社は報じている。

 義に厚く、報恩の心を忘れない台湾の人々の心根をよく表しているエピソードだ。

 また、リトアニアの台湾へのワクチン提供は、本誌でもたびたび伝えてきたように、今年3月の日米安全保障協議委員会(2+2)に始まる一連の国際会議において「中国への深刻な懸念」とともに「台湾海峡の平和と安定の重要性」が強調されてきたことと無関係ではあるまい。リトアニアもその一員であるEUと日本の定期首脳協議でも、G7サミット首脳宣言でもまったく同じ文言が採択されている。リトアニアは「中国への深刻な懸念」を、台湾へのワクチン無償提供という形で表わしたようだ。

—————————————————————————————–台湾人の「恩返し」、リトアニアの慈善団体を驚かせる【Taiwan Today:2021年7月5日】

 バルト海沿岸のリトアニアは6月22日、英アストラゼネカ製新型コロナウイルスワクチン2万回分を台湾に無償提供すると発表した。一部の台湾の人々は感謝の気持ちを伝えるため、海外の寄付サイトを通してリトアニアの慈善団体に寄付を行っている。

 例えばリトアニアの非営利組織である小児がん基金「Rugut?」は、小児がんで3歳の娘を亡くした夫婦が2004年に設立したもの。この基金には6月23日から7月2日午前までの10日足らずのうちに、台湾から少なくとも2万5,000ユーロ(約330万日本円)の寄付が寄せられた。

 別の非営利組織「MAM? UNIJA」も、同じく小児がん家庭を支援している。これまで世界最大級の寄付募集プラットフォーム「Global Giving Foundation(グローバル・ギビング・ファウンデーション)」で1か月平均300米ドルほどの寄付を得ていたが、今年は6月だけで5万米ドルの寄付が集まり、驚いている。

 同組織の責任者は「リトアニアの総人口は300万人に満たず、世界でもあまり知られていない小さな国だ。人口2,300万人を誇る台湾にとって2万回分のワクチンなど取るに足らないものだろう。それでも『恩返し』を忘れない台湾の人々に驚き、感謝している」と述べている。

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。

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