サンフランシスコ平和条約と台湾─林志昇グループの荒唐無稽な主張  Andy Chang

サンフランシスコ平和条約と台湾─林志昇グループの荒唐無稽な主張  Andy Chang
台湾・嘉義出身でアメリカ在住の著述家、アンディ・チャン氏がサンフランシスコ平和条約の解
釈を巡って、林志昇グループが唱える「台湾は今でも天皇陛下の神聖不可分の領土」論に対して
「まったく荒唐無稽」と論駁している。

 ちなみに、サンフランシスコ平和条約締結に際し大蔵大臣として署名した池田勇人は、後の総理
大臣のとき、サンフランシスコ平和条約と台湾の関係について、昭和39(1964)年2月29日の衆議
院予算委員会で下記のように述べている。

「サンフランシスコ講和条約の文面から法律的に解釈すれば、台湾は中華民国のものではございま
せん。しかし、カイロ宣言、またそれを受けたボツダム宣言等から考えますと、日本は放棄いたし
まして、帰属は連合国できまるべき問題でございますが、中華民国政府が現に台湾を支配しており
ます。しこうして、これは各国もその支配を一応経過的のものと申しますか、いまの世界の現状か
らいって一応認めて施政権がありと解釈しております」

 つまり、中華民国は立法・司法・行政を行使する施政権を持つのみで、台湾の領有権、つまり主
権を持っていないと明言している。1964年といえば、日本が未だ中華民国と国交を持っていた時代
の発言だ。これが日本政府の中華民国による台湾支配についての立場だった。

 日本はまた、サンフランシスコ平和条約で「台湾に対する全ての権利、権原及び請求権を放棄」
しているというのが公権解釈だ。台湾が「天皇陛下の神聖不可分の領土」などという論は「まった
く荒唐無稽」の謬論でしかない。


サンフランシスコ平和条約と台湾
【AC通信(No.496):2014年5月3日】

 1952年4月28日はサンフランシスコ平和条約(SFPT)が発効した日である。今年で62周年を迎え
るこの日、台湾人の間でまたもSFPTを根拠としてアメリカは台湾の主要占領国で、占領権は今でも
持続していると主張する論文が出てきた。

 これは間違いであり、このような主張は台湾とアメリカの関係を悪くすることがあってもよくな
ることはない。事実でないことを根拠にしてアメリカ政府に要求を突きつけても進展はないし、ア
メリカが迷惑するばかりだ。

 彼らの主張はいくつかの点に要約される。

(1)日本国はSFPT第2条bにより台湾澎湖の主権を放棄したが放棄した主権の帰属は未定であ
 る。従ってSFPTの主要条約国アメリカには台湾の帰属を未定にした「責任」と「義務」がある。

(2)アメリカはSFPTの第23条に明記された[主要占領国]である。これによりアメリカは帰属未定
 の台湾澎湖の主要占領権を持ち、今日でも継続して持っている。

(3)台湾を統治している中華民国は蒋介石の亡命政権でアメリカおよび世界諸国は之を認めな
 い。また台湾国も存在しない。したがって台湾の将来の決定権はアメリカが握っている。

 この主張から派生した主張に林志昇の「台湾は今でも天皇陛下の神聖不可分の領土である」とい
う、とんでもないものがある。

●SFPTは戦争の終結である

 サンフランシスコ平和条約とはTreaty of Peace with Japanと呼ぶ条約で、日本国と戦争に参加
した48カ国(条約では連合国と称する)が「戦争の終結」を宣言したもので、冒頭第1条に「日本
国と各連合国の間の戦争状態は、第23条の定めるところによりこの条約が日本国と該当連合国との
間に効力を生ずる日に終了する」と明記してある。

 つまり戦争の終結で平和が訪れたという宣言である。それなのに戦争は終わっても条約は有効だ
から占領権も有効と主張するのは間違っている。しかも本条約は日本と連合国の間で締結されたの
ものだから、もし占領権が今も存在するならアメリカと連合国は今日でも日本の占領権を持ってい
ることになり、根本的に不合理である。

 条約は連合国と日本の間で締結されたもので、台湾との条約ではない。同文23条にある[主要占
領国アメリカ]とは条約締結前の日本を占領していたことを指す。しかしアメリカは台湾の占領国
ではなかったし、アメリカ占領軍が台湾に駐屯した事実もない。したがってアメリカが台湾の主要
占領国であり、今も占領権を持つという根拠は存在しないのである。

●SFPT第23条の[主要占領国]とは

 SFPTのなかに「主要占領国、主たる占領国(Principal Occupied Power)」と書かれた箇所は第
23条にのみ存在する。そして第23条とは以下の通りである:

「この条約は、日本国を含めて、これに署名する国によって批准されなければならない。この条約
は、批准書が日本国により、且つ、主たる占領国としてのアメリカ合衆国を含めて、次の諸国、す
なわちオーストラリア、カナダ、セイロン、フランス、インドネシア、オランダ、ニュー・ジーラ
ンド、パキスタン、フィリピン、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ
合衆国の過半数により寄託された時に、その時に批准しているすべての国に関して効力を生ずる」

 つまり、(A)アメリカは日本を占領していた主たる占領国だった。(B)本条約は日本とアメ
リカを含めた諸国が署名しなければ発効しない。それ以外に何の意味もない。台湾は論外である。

 また第23条により諸国が署名した日から条約は効力を発揮したが第2条各項の領土は帰属未定の
ままで、アメリカには条約で領土の帰属を明確にしなかった「責任」を問われることはあっても
「義務」は存在しない。

●条約の勝手な解釈は無益である

 条約は明文化された事のみを認める、書かれていないことを勝手に憶測、解釈しても無益である。

 SFPT第2条において日本が主権放棄した領土は台湾澎湖だけでなく、南沙諸島、西沙諸島も含ま
れている。アメリカは台湾の主権、南沙、西沙の主要占領権を主張したことはない。中国が勝手に
領土権を主張し、武力で占領してもアメリカが抗議したことはない。

 アメリカが日本に対して主要占領国だったことで台湾に対しても主要占領国だという解釈は成り
立たないし、占領権が今でも継続しているという解釈は根拠がない。

 仮にアメリカの「主要占領権」を認めるとしたら、アメリカ以外の47カ国の「次要占領権」も認
めなければならない。フィリッピン、タイ国、ベトナムなどの国々が今日でも台湾に対し「次要占
領権」を持っていると主張したらどうなるか。

 アメリカが台湾の占領権を持っているから、台湾の住民投票でアメリカの第51州になれると主張
する「51州建州運動」グループが存在する。住民投票で台湾人がアメリカ国民になるという主張は
根拠がないし、アメリカが受け入れる筈がない。

 林志昇グループの主張は、日本は台湾の主権を放棄したが今でも帰属未定だから、今でも天皇の
神聖不可分の領土であると主張している。こんな理論がとおるなら、日本政府は天皇の神聖不可分
の領土を勝手に主権放棄したことになる。日本国は天皇の領土を勝手に処分した大罪を犯したの
か。まったく荒唐無稽である。

●アメリカの現状維持が間違いのもと

 アメリカがSFPTを締結してから今日までいろいろな事情の変化があったが、いろいろな事情から
アメリカは帰属未定の領土を解決する意思はなかった。アメリカは今でも現状維持を主張し、中国
の横暴な武力進出を許している。その理由はアメリカが独力で解決する力がないということであ
る。これを解決するには私が何度も主張している東南アジア諸国が連盟(PASEA)を作って、日
本、アメリカ国会とSFPT条約の署名国と共同解決すべきである。アジア諸国は既にSFPTの署名国で
あるから連盟を作れば解決はできるはずである。

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