オバマ政権の高官がバイデン氏の台湾防衛発言を「本心」と指摘

オバマ政権の高官がバイデン氏の台湾防衛発言を「本心」と指摘

 米国のバイデン大統領が9月18日に放映された米CBSテレビのインタビューで、中国が台湾に侵攻した際に米軍は台湾を守るかと問われ「そのとおりだ」と答えたことを巡っては、過去3回の同様の発言のときと受け止め方が変わってきたようだ。

 バイデン発言は「失言」でも「舌禍」でもなく、本気で言っていると捉えられるようになってきている。

 本誌は、米国大統領が従来の「曖昧戦略」(Strategic Ambiguity)を踏み越えるような「失言」をするとは考えにくく、発言は、中国に米国は台湾有事へ軍事的介入をすると思わせることで、台湾侵攻を踏み止まらせることが最大の狙いだろう、と指摘してきた。

 時事通信がオバマ米政権で国家安全保障会議(NSC)中国・台湾・モンゴル部長を務めたライアン・ハス氏(ブルッキングス研究所上級研究員)にインタビューし、「側近が発言を用意したわけではなく、本心から言っている」「安定維持に対する脅威は現時点で中国の侵攻であり、(米軍介入を)明言する形で侵攻抑止を図っているのだろう」「米軍が介入しないと想定することは誤りであり、台湾を防衛すると中国軍に思わせる必要がある」という発言を引き出している。

 興味深いのは、このバイデン発言に対する中国の反応について、ハス氏が「中国側の反発は非常に厳しいものではない。台湾防衛で米軍が介入すると想定しているからだろう。バイデン氏は互いに既に了解している点を語っているにすぎない」と指摘していることだ。

 台湾有事の際に米国が介入すると中国側が想定しているとの指摘は得心がゆく。バイデン流の曖昧戦略がいまは功を奏しているように見える。しかし、したたかな中国だ。中華民族の統一という大義名分を掲げ、得意のサラミ戦術で南シナ海を中国の海と化し、いままた台湾海峡の中間線をなきものにしようと企てている。太平洋島嶼国家にもその長い手を伸ばす中国の覇権主義に変化は見られない。

—————————————————————————————–バイデン氏は「本気」=台湾防衛の米軍介入発言─オバマ米政権元高官【時事通信:2022年10月2日】https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100200289&g=int

 【ワシントン時事】中国による侵攻への懸念が深まる台湾情勢をめぐり、バイデン米大統領は、台湾防衛のために米軍を介入させる発言をたびたび繰り返し、波紋を呼んでいる。

 オバマ米政権で国家安全保障会議(NSC)中国部長を務めたブルッキングス研究所のライアン・ハス上級研究員が最近、時事通信社のインタビューに応じ、バイデン氏は「本気で言っている」と述べた。主なやりとりは次の通り。

 ── 発言の真意は。

 バイデン氏は、米国の優先課題の一つが台湾海峡の平和と安定の維持だと考えている。安定維持に対する脅威は現時点で中国の侵攻であり、(米軍介入を)明言する形で侵攻抑止を図っているのだろう。

 ── 今後も発言を繰り返すのか。

 同様の発言を既に4回している。指導者が4回も発言するときは、誤りというより強い信念の現れと考えるのが普通だ。私が思うに彼は真剣に考えている。側近が発言を用意したわけではなく、本心から言っている。

 ── 発言のたびに中国は反発する。

 興味深いことに中国側の反発は非常に厳しいものではない。台湾防衛で米軍が介入すると想定しているからだろう。バイデン氏は互いに既に了解している点を語っているにすぎない。米軍が介入しないと想定することは誤りであり、台湾を防衛すると中国軍に思わせる必要がある。

 ── あいまい戦略の逸脱では。

 戦略を明確にする唯一の方法は、防衛義務を定めた相互防衛条約(軍事同盟)を締結することだが、米国の強硬派でもそれは主張していない。台湾有事に米国がどう対応するかについての一定程度の「あいまいさ」は保たれているのが現状だ。

 ── 米中対話は必要か。

 米中関係は互いに信頼できないところまで悪化している。対話のチャンネルがなく、真意を問いただすことができない状態だ。インドネシアで11月に開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせ、バイデン氏と中国の習近平国家主席は会談すると思うが、互いに衝突は望んでいないと伝えるにとどまるだろう。 

※この記事はメルマガ「日台共栄」のバックナンバーです。

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