日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載
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李登輝元総統が「日本の経験から見た台湾の未来」と題して講演、浜田宏一氏と対談
李登輝元総統は11月25日夜、経済誌「財訊」が福華文教会館で行ったフォーラムにおいて「日本
の経験から見た台湾の未来」と題して講演し、その後、訪台中の安倍晋三首相の経済ブレーンで内
閣官房参与の浜田宏一・イェール大学名誉教授と対談された。
講演では、台湾の対外貿易の競争力が失われつつある現状を指摘し、TPP(環太平洋パート
ナーシップ協定)へ参加するためには日本との経済・貿易関係を強化すべきと訴えたという。下記
に、中央通信社の記事をご紹介したい。
李登輝元総統は常々「技術革新こそ台湾経済発展の原動力」と述べ、そのために日本から質の高
い技術や投資を呼び込む必要性があると訴えてきた。そうすれば、台湾が持つ技術力の優位性を維
持した貿易が確立できると指摘してきた。
安倍晋三首相は金融政策、財政政策、成長戦略の「3本の矢」、すなわちアベノミクスで経済回
復を目指すと宣言し、李元総統も支持してきた。この金融政策の理論的な柱となっているのが国際
金融論を専門とする浜田宏一氏だ。
経済学者として金融政策にも通暁する李元総統にとって、待ちに待った浜田氏との対談だったか
もしれない。この対談が日台の経済連携協定(EPA)締結への大きな契機となることを期待した
い。
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台湾のTPP参加、李登輝氏「日本との関係強化をテコに」
【中央通信社:2014年11月27日】
(台北 27日 中央社)李登輝元総統は25日、経済誌が主催したフォーラムで「日本の経験からみ
る台湾の未来」と題した講演を行い、台湾は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加への手がか
りとして日本との経済・貿易関係を強化すべきとの考えを示した。
講演の中で李氏は、日本との貿易関係強化のために、台湾は日本企業の立場を理解しなければな
らないと指摘。また、経済・貿易に関する戦略の策定や、優位性を持つ産業の育成などにも取り組
むべきだと述べた。
加えて李氏は、台湾の中国大陸、日本との経済・貿易関係について、「量と質」のバランスを
とった戦略を提案。「量」は大陸のような成長中の新興国・地域に対する輸出と投資を増やすこと
を意味しており、「質」は日本のような先進国からより多くの技術や投資を呼び込むことを示して
いる。
また、周辺国・地域で自由貿易協定(FTA)を締結する動きが加速している影響を受けて、台日
間の貿易投資が減少し、台湾の国際競争力が低下しつつあると指摘。TPP参加への追い風を起こす
ために、台日双方は関係強化を行うべきだと語った。
(呂欣ケイ/編集:杉野浩司)