日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」より転載
このところ李登輝元総統は、来年1月16日に投開票が行われる総統選挙と立法委員選挙そのもの
よりも、選挙後についての発言が少なくなかった。特に、総統就任式が行われる5月20日までの4ヵ
月に注目していた。
その前提として、このW選挙で中国国民党が大敗すると予測、総統就任式までの4ヵ月で馬英九
総統が何をするかに注意を喚起してきた。
ところが、9月22日に鄭弘儀氏がパーソナリティをつとめるラジオ番組(FM宝島聯播網)に出
演した李元総統は、これまでより一歩踏み込んで、馬英九総統は台湾と中国の「和平協商」(平和
条約)の締結にとどまらず「大陸の人民解放軍に台湾を攻撃させることすらあり得るとして、対策
の必要性を強調した」という。
また、中国国民党は「台湾国民党」への転換が必要で、選挙後は「王金平・立法院長に党を率い
てほしい」とまで表明したという。
これまで、ここまで具体的に述べたことはほとんどなかった。李登輝元総統の思いはすでに総統
選後にある。中央通信社の記事を下記に紹介したい。
◆宝島全世界:人物專訪
http://www.superfm98-5.com.tw/web/
—————————————————————————————–
李登輝氏、「中国国民党は“台湾国民党”への転換必要」
【中央通信社:2015年9月23日】
(台北 23日 中央社)李登輝元総統は22日、ラジオ番組に出演し、来年1月に行われる総統選挙
と立法委員(国会議員)選挙では与党・中国国民党が大敗するとした上で、党勢を立て直すには、
台湾の主体性を重視する本土派を中心とした“台湾国民党”に生まれ変わらなければならないと述
べた。台湾の複数メディアが報じた。
李氏は選挙後、国民党本土派のリーダー格にあたる王金平・立法院長(国会議長)に党を率いて
ほしいと期待を示した。
また、総統選から新総統が就任する来年5月までの約4カ月間の馬英九総統の動きを懸念。両岸
(台湾と中国大陸)平和取り決めの締結にとどまらず、大陸の人民解放軍に台湾を攻撃させること
すらあり得るとして、対策の必要性を強調した。
李氏は、米ワシントンで25日に開かれるオバマ大統領と中国大陸の習近平氏との会談にも言及。
習氏が台湾の新しい総統に圧力をかけるよう求め、米国が受け入れるような事態になれば、台湾に
とって大きな問題となると危機感を表明した。
(呂欣ケイ/編集:杉野浩司)