台湾独立建国聯盟 日本本部委員長 王 明理
政治家はその国民の利益を最優先に考えるべきである。
自分の党や自分の家族、多民族国家であれば自分の民族の利益を最優先に考える人は、国の政治に携わるべきではない。
台湾の国民にとって最優先の課題とは何か?
それは、国際社会の一員となることである。経済や政治、防衛の面からも主権独立国家として、認知されることが、最も大事な基本である。
国際機関に加盟できず、外国と正式な外交関係を持てない現状は、台湾人にとって最悪の奇形な状況であると、台湾人自身が認識しなければならない。
私たちは、台湾が主権独立国家として国際的に認知されることを「台湾の独立」と呼んで求めている。
「台湾の独立」という台湾の真の幸福のかたちを、「中国を刺激するから良くない」という理由で、忌避する風潮が見られるが、「台湾独立」は過去のものでも時代遅れでもなく、今も一番根幹の問題であることを忘れないでほしい。
国際社会に認められなければ、台湾はすべてを失うかもしれない。自由も、言葉も、将来も。中国があらゆる手段で台湾を中国の支配下に置こうとしているからだ。
国連に加盟するには、過去の加盟脱退のいきさつから言って、今の「中華民国」という名前を捨て、「台湾」または他の名称を国名とする必要があるが、民進党までもが、「台湾=中華民国」で良いと考えているのは浅慮としかいいようがない。
しかし、今の台湾人がそれでもいいというなら、「中華民国」名で国際社会に復帰し、各国と外交関係を持てるのか?答えはノーである。
「中華民国」は第二次大戦後、台湾に逃げ込んできて台湾を植民地統治した中国人の流亡政府のことであり、本当の台湾人の国名ではない。「中華民国」が国際社会から排除されたいきさつは、中華人民共和国と中華民国の権力闘争の結果であり、中華民国の統治を受けていた台湾人はそのとばっちりを食っただけのことである。
台湾人の真の幸福を願うのであれば、「中華民国」の名を捨てて、新しく出発するべきであることは間違いない。
では、なぜできないのか? 単に中国の脅しがコワイからである。「国名変更」の陰に「台湾独立」という台湾人の希望があると見る中国が、反対し、武力行使するかもしれないと心配して、モノを言わぬ民になったのだ。
しかし、かつて外敵の威圧が怖くて言われるままになって成功した民族はない。
真に台湾人の幸福を願う政治家は、これから先の子供達、将来の自由な台湾のために、
「台湾独立」から目をそむけてはならない。
中国の威圧から国を守るためにも、声を大にして国際社会に訴えるべきである。
「私たちを一人前の国として認めて下さい」と。