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「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)
昨日(7月29日)香港で愛国教育を反対するデモが行われ、参加者は子供も含めて9万人に上った。
●中国人と自認する香港人はわずか17%
香港当局は中国の指示を受け、今年の9月から「徳育と国民教育」を小学校に導入することに決まった。この教育愛国は、「中国を愛せ」と香港人を小学校の段階から徹底的に中国人化させる「洗脳教育」である。
最新の世論調査によると、香港ではこの洗脳教育を支持する人は12%に過ぎず、過半数の香港人が愛国教育の導入を反対している。
では中国は何故今になって「愛国教育」を導入しなければならないのか。
実は、昨年の年末に香港大学が実施した世論調査で、自分を中国人と認める香港人はわずか17%に過ぎなかったのだ。この結果が余程頭に来たのか、中国当局は「余計なことをするな」と凄んだ。このチンピラのような態度に、香港人はますます中国人になりたくなくなったのだ。
●歩道で用を足す中国人観光客
中国人観光客の行儀の悪さも香港人の中国離れの一因になっている。本来であれば観光客は歓迎される存在だが、香港での中国人観光客は香港人に嫌悪されている。だが無理もない。所構わず食べ散らかし、歩道や洗面台で用を足す中国人だ。香港人の我慢の限界を超えている。
今年一月、電車の中でカップラーメンを啜っていた中国人観光客を香港人が注意したことで相手の中国人は逆上し、罵り合いになった。その映像がユーチューブにアップされると、香港と中国でネット戦争にまで発展した。
更にひどいのは、北京大学の孔慶東教授がテレビ番組の中でこの論争に触れ、「香港人は殖民地教育を受けた犬だ」と香港人を貶したことだ。しかし、それが中国人なのだ。自分の非は絶対に認めない。不潔で野蛮で尊大、鼻持ちにならない民族なのである。
果たしてこのような国を「愛国教育」の強制で愛せるようになるのだろうか?
まるで「俺を愛せ」とせがむ情けない男のようだ。