米国務院は小中学校教育を行う米国の孔子学院「教員」に退去指導
【大紀元日本5月23日】米国国務省は最近、孔子学院を設置する国内大学機関にある方針指令を出した。同院に所属する研究員が小中学校レベルの教育指導の仕事に就くのは米国のビザ関連法に背くもので、今学期終了とともに出国を命じる、というものだ。突然の指示の意図は明らかになっていないが、米国当局が同院の教育活動の削減を狙ったものとみられている。
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ワシントンの教育雑誌「クロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション」によると、学業・研究ビザで在米するのものが同院で教育・指導の仕事に当たることは米国のビザ法に背くとし、さらにビザ更新には国務省による再度の査証を受ける必要があるという。
孔子学院は中国教育部(省)管轄の中国語教育機関。世界中に270以上あるとされ、現在、アメリカには60以上が大学や中高等学校に所属する形で置かれている。孔子の名を冠するが、儒学教育機関ではない。中国共産党率いるソフトパワーと揶揄され、宣伝部トップの李長春氏は「対外宣伝において重要な機関」と発言している。
孔子学院は2004年から中国の国策として米国日本など数十か国に導入された。しかし、批判の声も少なくない。欧州教育ジャーナルのドン・スター記者によると、批判の声の中心は同院の役割を「台湾統一計画支持、産業および軍事スパイ、在外華人の監視役」とみなすものにまとめられる。
また豪紙「世界大学ニュース」の取材に答えたジョセリン・チェイ教授は、同院と中国共産党との深いつながりを指摘、「孔子学院は大学の教育研究機関の一部、という誤った認識に気づかなくてはならない」と警鐘を鳴らす。
米国国務省は、孔子学院の受け入れについて前向きな姿勢を取っていたはずだった。前述のクロニクル誌には、次のようにある。「孔子学院を非難する者は『中共の街宣車』と同院を呼ぶが、両国は教育文化交流を最近強調しており、オバマ大統領が打ち出した在中国米国人を2倍にする、という方針からも外れるものではない」。
今回の指示は、具体的な問題として、学業・研究目的で入国した者が、同院で「教員」として自由に働くのが不適当だという指摘をした。同誌には「教員、教授、研究者のビザで入国した者が、公的な小学校教育レベルの指導にあたるのは禁止されている、と米国務省は注意を促している」と記されている。
2010年には、米カリフォルニア州ハシエンダハイツ市内の中学校に孔子学院が開設される際、「共産主義の洗脳機関だ」として地域住民から強い反発を受けた。