【独裁崇拝へ逆戻り】馬政権・台湾民主紀念館を廃止、「中正記念堂」へ
2009.7.21
「台湾の声」
馬英九政権は7月19日夜から台湾民主紀念館および自由広場の周りを有刺鉄線
で封鎖し、翌20日午前に「台湾民主紀念館」の扁額の取替えを強行し、「中正紀
念堂」(蒋介石メモリアルホール)の扁額に掛け替えた。
野党・民主進歩党(民進党)の蔡英文主席は、「民進党は国家の公共資源を使
って自己の人民を虐殺した歴史上の独裁者を記念することに同意できない」と批
判した。
台湾民主紀念館は、陳水扁政権時代の2007年5月に改名されたが、蒋介石銅像
はそのまま維持され、展示内容については台湾の民主化の内容が加えられたが、
シナ大陸時代の蒋介石の活躍を中心とする展示も残され、中途半端な展示内容と
なっていた。また、最寄り駅の地下鉄の駅名も「中正紀念堂」のまま維持されて
いた。これらの中途半端さが、中国国民党が政権を取り戻した後に「中正紀念堂
」を復活させる余地を与えてしまったといえる。
皮肉なのは、蒋介石がもし台湾の民主化に貢献したのなら「台湾民主紀念館」
の名前でもよいはずなのに、中国国民党・馬英九政権が「台湾民主紀念館」の扁
額を引きずり下ろして、蒋介石個人を称える「中正紀念堂」に戻した点である。
今回の件ではっきりしたことは、独裁者・蒋介石を称える「中正紀念堂」は、台
湾の民主を記念する「台湾民主紀念館」ではないということだ。