産経新聞コラムで矢島論説副委員長が日本李登輝友の会のホームページを紹介

李登輝前総統が安倍新首相の政治理念を高評

 産経新聞が毎週月曜日に掲載している「論説委員室から」というコーナーの一つに、論
説副委員長の矢島誠司氏が担当するコラムに「風を読む」がある。元台北支局長をつとめ
た矢島氏ならではの台湾を通してみた日本観が示されていて毎回興味深い。
 本日(10月2日)付のこの「風を読む」では安倍晋三内閣の発足について取り上げ、台湾
の李登輝前総統が安倍首相の政治理念を高く評価していることを紹介し、「とりわけ、教
育再生計画には強い共感を示しているという」と記した後に、「日本李登輝友の会のホー
ムページで知ったのだが」と続け、本会ホームページで李登輝前総統が安倍氏の『美しい
国へ』を高評していることを紹介している。
 李登輝前総統が安倍氏の『美しい国へ』を推奨していることは、もちろんホームページ
でも掲載しているが、当初は9月9日付発行の本誌第362号のトップ記事として紹介したもの
だ。
 ここに矢島氏の「風を読む」をご紹介し、メルマガ第362号の該当記事を再掲しご参考に
供したい。

 なお、矢島氏はこのコラムの最後を「台湾では、9月新学期から高校でも初めて、台湾史
を詳述した歴史教科書の使用が始まった」と結んでいる。
 台湾の高校生がこの9月から使用している歴史教科書については、すでに今年2月に発行
した本会機関誌『日台共栄』第11号において、その内容の一部を紹介している。
 残念ながら、ホームページの機関誌『日台共栄』コーナーでは第11号の該当記事を紹介
していないが、これは、昨年12月初旬に台湾教授協会の戴寶村会長ら一行と本会などが意
見交換会を開いたとき、台湾で高校教科書の検定主任をつとめる戴寶村会長の発言を紹介
した中に、次のように出てくる。

 「2003年から検定制度を導入し、高校生の場合、高1前期で台湾史、後期で中国史、2年
生で世界史、3年生は自由選択となっている。高校の歴史教科書で台湾史は、第1期が石器
時代から清朝時代前まで、第2期が清朝時代、第3期が日本時代、第4期が戦後という区分に
なっている。日本時代はインフラ等が整備されたことを十分に記述し、画期的なことは年
代表記に元号を用いたことだ。2006年度使用の中には19代の台湾総督全員を写真入りで説
明する教科書もある」(機関誌『日台共栄』第11号、本誌編集部「台日民主教育交流訪問
団と意見交換−台湾化が進む台湾の歴史教科」)

 矢島氏が指摘するように、台湾では、中国史ではなく、台湾史を詳述した歴史教科書が
使われ始めている。『日台共栄』誌は、この記事を「中韓との歴史共同研究はあるが、親
日台湾との共同研究は寡聞にして知らない。この教育交流を契機として、日本と歴史を共
有する台湾ゆえに歴史や教科書をテーマとする共同研究が始まって欲しいものである」と
結んでいる。
 始まる前から結論ありき、どこまでいっても平行線の中韓などより、文字通り歴史を共
有する日本と台湾間でこそ、歴史や教科書の共同研究が必要なのである。共同研究に国境
はない。今年も台湾教授協会一行は来日する予定となっている。共に共同研究の道を模索
してゆきたい。
                   メールマガジン「日台共栄」編集長 柚原正敬


【10月2日付 産経新聞 「風を読む」矢島誠司・論説副委員長】

 「日本は変わるよ。これでずっとよくなる」
 台湾の前総統、李登輝氏は、2001年4月、小泉純一郎政権の発足について、私を含めた数
人との懇談の中でこう語った。心臓病の治療のため日本を訪れ、台湾に戻った直後のこと
だ。
 小泉政権は李氏が日本滞在中に誕生した。欧米のマスコミが「小泉とはだれか」と騒い
でいたときに、日本政界をよく知る李氏は間髪を入れず、小泉政権の登場で日本は変わる
、それもよい方向に変わると断言したのだった。
 その李登輝氏が、今度は小泉路線を継承した安倍晋三内閣の発足を歓迎し、安倍新首相
の政治理念を高く評価している。とりわけ、教育再生計画には強い共感を示しているとい
う。
 日本李登輝友の会のホームページで知ったのだが、李氏は9月初め、台湾を訪れた日本人
一行への講義の中で、安倍氏の著書『美しい国へ』を取り上げ、教育改革の重要性を説い
た後、「安倍さんの本を読んでください。特に第7章ね」と語ったという。
 「教育の再生」と題された第7章はサッチャー、レーガンの教育改革を紹介しつつ、「自
国に誇りを持てる」教育を重視し、学力の向上、モラルの育成、学校、教師の質の向上、
古きよき家族の価値の回復などを説いたものだ。
 安倍氏は教育再生担当の首相補佐官に、理念を同じくする山谷えり子参院議員を起用し
た。抵抗勢力を排して山谷補佐官が十分機能するには、安倍首相の強い指導力が不可欠だ
。期待したい。
 安倍内閣の教育再生計画の行方を李登輝氏も見守っているに違いない。台湾でも教育改
革が重要テーマだからだ。その台湾では、9月新学期から高校でも初めて、台湾史を詳述し
た歴史教科書の使用が始まった。


李登輝前総統が安倍晋三氏の新著『美しい国へ』を推奨
「日本で大事なのは教育改革であり、自国に誇りを持つこと」

【9月9日付 メールマガジン「日台共栄」第362号】

 先般行われた第5回台湾李登輝学校研修団において、最終日の9月5日、李登輝前総統は
特別講義の冒頭で、日本で大事なのは教育改革であり、自国に誇りを持つことであるとし
、安倍晋三官房長官の新著『美しい国へ』(文春新書、7月刊)を取り出し、特に、安倍氏
が第7章で「教育の再生」について展開していることを紹介された。
 また、1時間半にわたった「日本の教育と私」と題した講義の中では藤原正彦氏のベスト
セラー『国家の品格』も紹介されたが、講義が終わり、その教室から出られる際、もう一
度「安倍さんの本を読んでください、特に第7章ね」と言い残されたのだった。
 李登輝前総統が安倍官房長官に触れた発言の一部が台湾国際放送のホームページに掲載
されていましたので、下記にご紹介します。              (編集部)

■安倍晋三著『美しい国へ』
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31745087


李・前総統:元首は国民の関心事を常に念頭に置くべき
【9月6日 台湾国際放送】

 李登輝・前総統が、国家元首は国民の関心事を常に念頭に入れるべきだと強調している。
李登輝・前総統は5日、日本李登輝学校のメンバーに対して講演を行った際、日本の武士道
の精神は実践を強調しているとし、このような価値観は民主の時代には更に重要なものに
なっていると指摘、国家元首は国民の関心事を常に念頭に入れなければならないと強調、
これこそ、武士道の精神の現れであると説明した。
 日本李登輝友の会事務局の柚原正敬局長は李登輝学校のメンバー41人を率いて台湾を訪
問している。李登輝・前総統は講演の中で、日本の次期首相として有望視されている安倍
晋三氏のことについても触れ、安倍氏は優秀な政治家であると評価すると共に、安倍氏が
次期首相になれば、台湾と日本の関係が更に進展を見せるだろうと予測している。



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