4月14日、日本李登輝友の会の15番目の支部として岩手県支部が設立された。東北では
福島、宮城、青森に続いて4県目。
盛岡市内で午前11時から開催された総会では、支部長に岩根鉄工所代表取締役で本会理
事の岩根哲哉氏が就任し、事務局長には拉致問題でも活躍する熊谷義弘氏が就任した。
本部からは柚原正敬・事務局長と冨澤賢公・事務局次長が参加し、柚原事務局長は「日
本にとって台湾はなぜ重要なのか」と題して記念講演した。懇親会の席上、岩根支部長か
ら李登輝前総統に対する岩手県への招請状が柚原事務局長に手渡された。
岩手県は後藤新平、新渡戸稲造(にとべ いなぞう)、伊能嘉矩(いのう かのり)な
ど台湾と縁の深い人材を輩出し、特に今年は後藤新平生誕150年、伊能嘉矩生誕140年とい
う節目の年にも当っており、今後の活躍が期待される。
当日は、岩手放送、岩手日報、盛岡タイムス、産経新聞盛岡支局など地元メディアも駆
けつけた。下記にその報道の一部を紹介してみたい。 (編集部)
日台の友好促進へ李登輝友の会設立−盛岡で総会
【4月15日付、岩手日報】
日本李登輝友の会県支部の設立総会は十四日、盛岡市内のホテルで開かれた。同支部は
台湾総統を務めた李氏の本県招請や、日台の友好促進に取り組む。
有志約三十人が出席。支部設立準備金の岩根哲哉代表が「本県には、後藤新平や新渡戸
稲造など台湾とゆかりの深い先人が多い。李氏の念願である『奥の細道採訪』と、本県招
請を実現させようとあいさつした。
事業計画として、台湾関係者との親善交流や講演会の開催などを承認。岩根代表が支部
長に就任し、友の会の柚原正敬事務局長に李氏あての招請状を手渡した。友の会の会員は
全国で約千五百人。支部数は、本県の設立により十五ヵ所となった。
台湾元総統李登輝氏招こう
来日実現へ「友の会」友好目指し県支部が発足
【4月15日付 盛岡タイムス】
岩手李登輝友の会の設立総会が14日、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡で開かれた。
台湾元総統の李登輝氏の来日を実現し、日台友好を深める。会員約30人で、全国では15番
目の発足。李登輝氏は台湾の日本統治時代の岩手の先人を高く評価しており、松尾芭蕉の
奥の細道をたどりたいという念願に応えようと設立された。
冒頭に李登輝氏と深い縁があった元参院議員の故椎名素夫氏に黙とうをささげた。設立
準備委員会の岩根哲哉代表は「李登輝さんは台湾の基礎を築いたのは後藤新平だと言う。
後藤は実質的な総督として台湾のために尽くし、さらに後藤が新渡戸稲造を連れて行って
台湾を発展させた」などと述べ、岩手と台湾とのゆかりを紹介した。
「李登輝さんは最初の民選総統であり民主主義の手本。李登輝さんが願っているみちのく
の旅、奥の細道の旅をぜひ実現させたい。お部屋には芭蕉の句があって、五月雨の降り残
してや光堂の句で、みちのくへの憧憬を持っておられた。この会を作って一日も早く岩手
の人情や温泉に浸ってもらいたい」と説明した。役員選出で岩根代表を支部長に選んだ。
日本李登輝友の会は全国約1500人の会員がおり、東北では青森、宮城両県に設立されて
いる。総会では講演会、研修会の開催。台湾関係者との親善などの事業計画を決めた。
日本李登輝友の会の柚原正敬常務理事が「日本にとって台湾はなぜ重要なのか」の演題
で講演した。柚原常務は「これまで中国の圧力があったせいで日台関係は経済的な民間の
交流はかなりあったが、ほとんど進展していなかった。椎名悦三郎さんが苦労されて、で
きるだけ民間交流できるように計られて台湾との関係を保ってきた。実質的に日台交流が
始まった、日本が積極的に打ち出しだのは2002年くらい。日本政府が台湾のWHOのオブ
ザーバー参加を支持した。台湾は中国の一部ではない、統治の実態があるという見方が出
てきたということ」などと講演し、日台友好を唱えた。
写真:李登輝氏と岩手とのゆかりを説明する岩根支部長