IO」(11月11日大増ページ紅葉特大号)誌に発表した。
前号(9月30日発売)では、訪日中の李登輝元総統と熊本県で9年ぶりに再会し、数時間
にわたって対談した模様を「新台湾論─李登輝元総統との再会」として発表したが、今回
はその続編を「新台湾論─李登輝の偉業を確認する」と題して掲載している。
本会などが取り組むNHK「JAPANデビュー」問題も出てきて、李元総統が「製作
者が極めて特殊な考え方を持っているんだろう」「『李登輝友の会』は憤慨してNHKに
抗議しているらしいね」と話されたことや、高金素梅について「あれはつまらない女です
よ」との発言も紹介されたりしていて、一歩踏み込んだ内容になっている。
また、「日本の政治家の中にも、未だに李登輝の為した仕事の凄さがわかってない」と
して「中華の冊封体制から離脱した聖徳太子のような偉業」について描いている。
冒頭では、曾文恵夫人が李元総統と小林氏の対談を収録した『李登輝学校の教え』を手
にしているところが描かれているが、ここで李元総統訪日中のエピソードをひとつ。
李元総統が小林氏と対談した9月9日の夜のことだ。ホテル熊本日航の居室で某日本メデ
ィアとの単独会見が行われた。記者が李元総統にインタビューしていると、曾文恵夫人は
わざわざこの本を取り出し「この本読みましたか?」と会話に加わった。開いた本にはと
ころどころに赤鉛筆の線がびっしり。「私はね、60年前に結婚した時から李登輝学校の学
生なの。何にもしてないけどね」とほがらかに笑う曾文恵夫人。
曾「でもねぇ、この本読むと夫は台北市長の頃から、真面目に忙しく皆さんのために働い
ていたのねぇというのがよく分かるわ」
李「僕は仕事のことはほとんど言わないからねぇ」
曾「でも、原稿を最初に読むのは私ですよ。たまに間違いを見つけたりして。この本(李
登輝学校の教え)、中国語版出した方がいいわよ」
李「いや、もう中国語になってるんだよ」
曾「でも、私は日本語の方が読みいいわ。これなら一晩で読めるけど、中国語だと3日以
上かかるわ。それにしても彼(小林氏)、とっても頭いいわね。夫と3回対談しただけ
でこの本一冊書いちゃった。だからね、ちょっと疲れて調子悪かったけどね、今日(午
前の対談)は必ずよしりんさんに会いに行きます、と思って出掛けたのよ」
小林氏には再び台湾を訪問して台湾の現実をその目で確かめ、ぜひこの『新台湾論』を
一書にして世に問うて欲しいものだ。 (編集部)
■「SAPIO」(11月11日大増ページ紅葉特大号、定価:500円)
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