びかける「被災地応援チャリティ・コンサート」に切り替えて実施した。総会の冒頭には
インターネット中継で台湾と結び、李登輝元総統からはこのたびの地震に対する心に染み
入る懇篤なお見舞いのメッセージをいただいた。
これは、この日、李登輝民主協会の蔡焜燦理事長が顧問を務められる「台北市李登輝之
友会」(陳秀麗会長)が台北市内で『真情台湾、日本加油!』と題した東日本大震災のた
めのチャリティ・コンサートを開いていて、その会場に李元総統が臨席して行われたもの
で、 総会会場のスクリーンには李元総統や蔡焜燦理事長、陳秀麗会長、『台湾人四百年
史』著者の史明氏、元行政院長の謝長廷氏などが次々と日本語でお見舞いの言葉を述べら
れた。
このことを、本日の産経新聞朝刊が当日の中継場面の大きな写真を付け、オピニオン面
の「集う」で伝えている。下記にご紹介したい。記事中、川村純彦氏は本会常務理事。
台湾から心こもったエール─日本李登輝友の会総会・チャリティーイベント
【産経新聞:2011年4月22日「集う」】
「このような惨状の中にあっても、日本文化に育まれた日本の方々の冷静かつ理性的な言動は、世界の人々から絶大な賞賛を受けました…」
大きなスクリーンの向うから李登輝・元台湾総統(88)の日本語のメッセージが飛び込
んできた。
東日本大震災の被災地の復興、被災者の支援を目的に台湾で行われたチャリティーコン
サート会場とインターネットで結んだ中継。「日本ガンバレ」「新しい日本を創ってくだ
さい」。台湾側から温かい言葉が届くたびに、日本の会場では、大きな拍手がわき上がっ
た。
3月11日の地震発生以降、台湾で集められた義援金は驚くべきことに、邦貨にして150億
円に達する勢い。もちろん諸外国の中ではダントツだ。
これには理由がある。台湾で1999年に起きた大震災や2年前の大水害の際に日本はいち早
く、救援隊を現地入りさせ、多額の義捐金を送った。
李登輝友の会の柚原正敬(ゆはら まさたか)事務局長によれば、「台湾の人たちの心
の中にはそのときの感謝の気持ちが強く残っており、今度はぜひお返しをしたい、という
思いが強いようだ。李登輝さんからも震災発生当日にすぐ、お見舞いの言葉をいただいた」
と振り返る。
李登輝さんのメッセージはこう続く。「私は日本の皆さまに一言だけ激励の言葉を述べ
させてもらいます。再建はわれわれが傷跡から抜け出し、再生するための契機です。次の
世代のために、安全で平和な新しい日本が創造できることを心より願っております。日本
の皆さん、がんばってください」と。
これに応えて、同会の小田村四郎会長(前拓大総長)が、「日本国民全体の協力により、
速やかに復興を成し遂げたい、と思っています」と決意表明。元海上自衛隊海将補の川村
純彦(かわむら すみひこ)氏も、「日台は運命共同体。苦しいときの友達が本当の友達
というではないか。台湾からの心温まるメッセージに感激している」と声を震わせた。
チャリティーイベントでは、「上を向いて歩こう」や「故郷」などが歌われ、売り上げ
が義援金となるオークションでは、李登輝さん愛用の帽子などが、高値で落札された。
心のこもった、隣人からの物心両面からのエールは必ずや被災地に届くであろう。
(喜多由浩)