きた。しかし、そのチャイナスクールよりも中国の国益を大事にしているのではないかと
目されるのが丹羽宇一郎・駐中国大使だ。
東京都による尖閣諸島買い上げを非難し、それを支持する日本国民を「日本の国民感情
はおかしい」とあげつらう、その感覚がすでにオカシイ。
中国問題では『中国人とは愛を語れない!』(並木書房、2007年)、『中国人の世界乗っ
取り計画』(産経新聞出版、2010年)、『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』
(産経新聞出版、2011年)などを出版しているが、実は河添さんの出発点は台湾。『台湾
それいけ探偵団』(トラベルジャーナル、1994年)がそれだ。この本は実に新鮮だった。
その当時と変らない筆致で産経新聞「40×40」でも論陣を張っているが、丹羽大使の発
言を取り上げ「アナタは一体どの国の人間?」と筆誅を加える。いささか遅くなったが、
下記に紹介したい。
それにしても、丹羽大使のような「売国奴」は一日も早く辞めるべきだと改めて思えて
くる。
丹羽さん、アナタはどこの国の人? 河添 恵子
【産経新聞:平成24(2012)年6月14日「40×40」】
アナタは一体どの国の人間? 丹羽宇一郎駐中国大使のことだ。英紙インタビューに対
し、東京都による尖閣諸島購入計画を「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と述
べ、習近平国家副主席との会談に同席した際には、「日本の国民感情はおかしい」「日本
は変わった国」などと発言したそうな。
その後、外務省を通じて「迷惑をかけた」と連絡したらしいが、それって保身でしょ?
丹羽大使は以前「国益のため」と金満中国へのODA継続の必要性を強調していたが、
共産党政府の錬金術の一つが日本国民の血税=ODAだってこと、元商社社長が知らない
ハズもない。
そもそも、丹羽大使の眼は節穴だ。いや確信犯なのか? 秋に行われる中国共産党大会
(第18回)を待たず失脚した薄煕来・前重慶市トップが推進してきた重慶モデル−毛沢東
時代の革命ソングを歌い、暴力団を一掃する運動(唱紅打黒)を昨年11月に視察した際、
「重慶では庶民の誰もが、とても満ち足りた生活を送っている」と絶賛している。
薄氏には、大連市長の時代からさまざまな“灰色の噂”があった。また商務部部長時代
には、ニュージーランドを代表する巨大企業フォンテラ社から河北省の「毒ミルク製造」
企業へ8億元という大型投資の提携にかかわった。さらに重慶時代の表向きの功績は「汚
職、暴力団を一網打尽」だが、現実は「冤罪(えんざい)を含め何万人もが拘束された」
「縄張りではない企業の経営者を次々と逮捕」だったのだ。
失脚後は数百億円とも報じられる「中国人の十八番」の不正蓄財や、海外への資産移転
の実態などが発覚。妻は英国人の毒殺に関与した他、単独&夫妻でのさまざまな容疑も浮
上している。
この極悪非道な人物を、丹羽大使はじめ政官財&一部メディアは長年、「有能な知日
派」とたたえ援助交際を続けてきた。共産党政府の“小間使い”たちの代わりに言う。中
国は近々に“内戦状態”となる。日本企業は一刻も早く、撤退か移転すべきだ。
(ノンフィクション作家)