うことを紹介しているが、山形県では県立庄内農業高校が先陣を切ったと漏れ聞く。
2010年11月下旬、「県立庄内農業高校の生徒がチャーター便で台湾に3泊4日の修学旅行
に行くのに合わせ、この機体を有効活用しようと庄内観光コンベンション協会が台湾の復
興航空に提案。復興航空と旅行会社5社が企画し実現した」(読売新聞:2010年11月25日)
という。
つまり、庄内農業高校の台湾修学旅行で台湾の旅客機を使うとき、空っぽの航空機で迎
えに来るのではなく、観光客を乗せて来てほしいと、庄内観光コンベンション協会が台湾
側に提案して実現した。
同じことが、この10月22日から3泊4日で県立鶴岡南高校が台湾修学旅行を実施するにあ
たって実現した。台湾修学旅行に合わせ、空きになる台湾からの1往復分を活用して観光ツ
アーを設定したのだ。
山形県では観光活性化にも役立つという一石二鳥が台湾への修学旅行だ。庄内農業高校
に続いて鶴岡南高校が台湾修学旅行の実施に踏み切った。庄内農業高校は今年また台湾へ
の修学旅行を計画しているという。慶賀すべきことだ。
台湾チャーター便復活
【読売新聞:2013年9月6日】
台湾の航空会社3社が10月、山形、庄内両空港にチャーター便計16便(8往復)を運航さ
せることが5日、県などへの取材で分かった。庄内空港で昨年12月、全日空機が滑走路をオ
ーバーランしたトラブルの影響などにより、今年は台湾から両空港へのチャーター便がゼ
ロになっていた。県内の観光関係者からは「多くの観光客が見込める冬場にも運航しても
らいたい」と期待する声が上がっている。
県交通政策課によると、山形空港にはマンダリン航空と中華航空、庄内空港には遠東航
空が乗り入れる。10月6〜30日に最大約1600人の観光客が県内を訪れる。遠東航空の場合、
10月22〜25日に県立鶴岡南高校が修学旅行で台湾を訪問するのに合わせ、県内の旅行会社
が、空きになる台湾からの1往復分を活用して観光ツアーを設定した。
台湾からのチャーター便は、昨年11月の復興航空以来。同社はここ数年、本県との関係
を深めており、チャーター便の主力となっていたが、昨年末に雪の庄内空港で他社がトラ
ブルを起こすと、運航基準を強化。冬季を含む10月から翌年4月までの間、滑走路が3000メ
ートルに満たない両空港の使用を取りやめた。
県は同社に基準見直しを求めるとともに、台湾の航空3社を訪ね、山形、庄内両空港の安
全性などを説明し、チャーター便運航を働きかけてきた。県観光交流課は「これまでの積
み重ねが実った。台湾では冬の山形観光に人気があるので、チャーター便の運航が定着す
るように、働きかけを続けたい」としている。
両空港への海外からのチャーター便の大半は、台湾からだ。08年10便(うち台湾8便)、
09年29便(同29便)、10年55便(同55便)と増加していたが、東日本大震災があった11年
に14便(同12便)と減少。12年は41便(同27便)と盛り返したが、13年はこれまでに運航
がない。
台湾からの観光客は、もともと冬場を中心に県内を訪れている。雪が珍しい地域のた
め、人気は蔵王の樹氷。NHKの連続テレビ小説「おしん」のロケ地となった酒田市の山
居倉庫なども、見て回る人が多いという。
酒田観光物産協会は「この秋におしんの映画が公開されるため、タイミングも良い。冬
場は国内の観光客が落ち込むので、チャーター便で海外からの集客につながれば」と期待
を寄せる。
蔵王温泉観光協会の黒崎広宣事務局長は「蔵王は雪だけでなく、初夏は高山植物、秋に
は紅葉が楽しめる。四季折々の蔵王を見てもらうため、チャーター便の運航が継続するよ
うにお願いしたい」と話した。