まわり学生運動)」の林飛帆氏(台湾大学大学院生)、陳為廷氏(清華大学大学院生)、黄國昌氏
(中央研究院研究員)、陳廷豪氏(世新大学社会発展研究所)の4名とともに、日本会議地方議員
連盟(松田良昭会長)が主催する「サービス貿易協定をめぐる台湾学生との対話集会」に臨む予定
だった。
しかし、林飛帆氏らは来日しなかった。報道では、直前になって台湾当局の渡航許可が下りな
かったとされているが、理由は定かではない。
そこで、月刊「WiLL」6月号にひまわり学生運動をテーマに「台湾、三度目の国家消滅の危
機」を寄稿された許世楷大使の単独講演会に切り替えて開催された。
衆議院第一議員会館の会場には岸信夫・外務副大臣や山谷えり子・参院議員ら国会議員も10名ほ
ど見え、日本会議地方議員連盟所属議員以外にも、王明理・台湾独立建国聯盟日本本部委員長や浅
野和生・平成国際大学教授、張信恵・在日台湾婦女会会長など120名ほどが参加、許大使の講演に
聴き入った。
予定では林飛帆氏らは17日に佐賀県での対話集会にも臨むことになっていたが、やはり許世楷大
使の単独講演会となった。佐賀新聞がその模様を報じているのでご紹介したい。
対等な国際秩序を 許元台北駐日代表 佐賀大で講演
【佐賀新聞:2014年7月20日】
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/85641
台湾の元台北駐日経済文化代表処代表の許世楷氏(80)の講演会が17日、佐賀市の佐賀大学で
あった。許氏は中国の覇権主義的な姿勢を批判。「国は大きくても小さくても1つの国家として尊
重されるべき。日本は東アジアに対等平等な国際秩序を築くリーダーシップをとってほしい」と呼
びかけた。
許氏は、台湾の馬英九総統が中国に幅広い分野の市場を開放する「サービス貿易協定」などの政
策をとっていることを挙げ、「台湾が経済的にも政治的にも飲み込まれる」と危機感を提示。今年
3月に同協定に抗議した学生が立法院を占拠した「太陽花運動」が政権運営に大きな影響を与え、
地方にも波及している現状を説明した。
また日本の安全保障や愛国心に関する学生らの質問に対して、「基地だけ提供して有事の際は米
国に血を流してもらうのは対等な関係と言えるのか」「学生運動に立ち上がった若者は、李登輝と
陳水扁の両政権下で台湾を愛する教育を20年間受けた世代。あなたは国家観を持っていますか」と
投げかけた。
講演会は同大学の国際交流サークル「K−net.」(吉岡勝也代表)が主催。当初、立法院占
拠にかかわった若者4人を交えたシンポジウムを行う予定だったが、直前で台湾当局の渡航許可が
下りず中止された。学生や一般の約120人が参加した。