「引き継ぐ必要はない」と表明し、王立法院長の党籍復活を認めた。
遅きに失した感は否めないが、統一地方選挙の歴史的敗北の一因が党内不和による求心力の低下
にあったのだから、党勢立て直しをはかる道筋としては常道だろう。
しかし、この中国国民党の決定に異を唱えたのが、王立法院長の党籍を剥奪しようとした前主席
の馬英九氏。いささか常軌を逸した表明だ。王院長と馬主席の権力争いとの見方もあるが、馬氏の
固執ぶりからすると、個人的な感情のもつれだったのかもしれない。馬氏の側近が次々と離れて
いっていることも、このような馬氏個人の感情問題とけっして無関係ではないだろう。
与党・国民党が王金平・立法院長の党籍を認めた
【台湾国際放送:2015年2月26日】
馬英九・総統は、国民党主席を兼任していた2013年9月、王・立法院長が司法に対する不正な働
きかけを行ったと指摘し、国民党は王・立法院長の党籍を剥奪した。王・立法院長はただちに党籍
を確認する訴えを起こし、その後行われた一審、二審では、ともに王・立法院長が勝訴、国民党が
上訴していた。
国民党の朱立倫・主席は25日、中央常務委員会で、この件について「中央常務委員会は社会及び
裁判所の見解をもとに、前回の会議において、党員の考課や規定違反した場合の処罰などを担う考
紀会委員の選抜、派遣方法や党員違反党紀処分規定について修正している。このため、本件につい
ては新たに弁護士に委任し、訴訟を引き継ぐ必要はない。王金平・立法院長は党籍をもつというこ
とだ」と述べた。
国民党がこの裁判について今後の手続きを行わないことで、およそ1ヶ月後には上告が却下され
て裁判は終了し、王金平氏の党籍確保が確定する。
なお、馬英九・総統が25日、個人として、中央常務委員会の決定は納得できないとの声明を発表
したことについて、朱立倫・主席は26日、異なる意見は互いに尊重すべきとコメントした。