一議員会館において、衆参国会議員の4割を超える292人、秘書などの代理112人、関係者を合わせ
約450人が集う満堂の中、「台湾のパラダイムの変遷」と題して講演された。
当日午後2時40分ころ衆議院第一議員会館に着いた李元総統は、講演会主催者である「李登輝先
生の講演を実現する国会議員の会」の岸信夫・衆院議員と江口克彦・参院議員に案内されて控室に
入られた。
ここで、講演までの合間を縫って「週刊エコノミスト」の金山隆一・編集長のインタビューを受
け、来日のご感想や日本経済の活性化策などについて話された。
また「アメリカに頼るのではなく、日本がアメリカをサポートしてやっていく。これが集団的自
衛権の行使であり、安倍政権が成立を目指す安全保障関連法案です」と述べ、これが「正しい方
向」と安倍政権を支持する考えを表明された。
このインタビューが8月3日発売の「週刊エコノミスト」(8月11日・16日合併号)に「日本の成
長に必要な技術革新─台湾から日本に放つ『第三の矢』」と題して掲載されている。ほんの数分の
インタビューで、掲載も1ページと短いものだが、李元総統の考え方がよく表れたインタビューと
なっている。
ちなみに、このインタビューの前には石原信夫・元内閣官房副長官が挨拶に訪れ、終わるや下村
博文・文部科学大臣や古屋圭司・前国家公安委員会委員長省も訪れるなど、議員会館の控室はあわ
ただしく時間が過ぎていった。
李元総統はいつものように立ちながらのご講演だったが、満92歳とは思えない、大きく張りのあ
る声は満場の会場に響き渡った。講演が終わるや拍手が鳴り止まず、なんとスタンディングオベー
ション。音楽会ならいざ知らず、講演会でスタンディングオベーションが起こったのだ。
台湾の元総統が国会議員の招きで講演するのは初めてのことで、日台の歴史に残ると言っても過
言ではない画期的な講演会だった。
この講演録は明日(8月6日)発売の「歴史通」9月号に「来日記念講演 台湾は台湾、中国は中
国」と題して掲載される予定だ。「週刊エコノミスト」と併せてご一読を!