正名・制憲・国連加盟で中国の圧力に抵抗せよ
台湾独立建国聯盟主席 陳南天
2016年10月9日
2016年の新しい台湾の政治状況は、欺瞞に満ち、台湾の主権を裏切る「ひとつの中国、92年コン
センサス」を蔡英文総統が受け入れないために、中国が一貫して台湾の国際的活動空間に圧力を加
え、国連食糧農業機関漁業委員会、国際民間航空機関、国連気候変動枠組条約締約国会議において
次々と台湾の代表の出席を阻み、世界経済フォーラムでは台湾の呼称を「中国台湾」に戻すなどの
事件が起きている。国内では、中国の「経済によって政治を追いつめる」という手法により、さま
ざまな台湾との交流を縮小し、中国人観光客の台湾観光を減少させ、台湾の観光業者が相手を間
違って、新政権に対し(本来は中国に向けるべき)街頭デモを起こす事件をもたらした。
中国の様々な圧力に対し、最近、蔡英文氏が、「中国の横暴に対して屈服しない」として台湾総
統としては強い調子で態度表明を行ったことを我々は高く評価する。2016年10月4日、蔡氏は
『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューを受け、台湾が「中国の台湾当局」ではな
いということ、また台湾は平和を求めるが、決して中国の圧力に屈しないという意思と決心を、世
界に対して伝えたが、これは注目に値する。我々は、蔡総統が、自身の言う、「中国の圧力に全力
で対抗し、他の国家との関係を発展させる」、「中国への過度の依存から抜け出し、健康で正常な
経済関係を形作る」ことを、一歩一歩達成し、蔡総統が示した「台湾は今の場所から抜け出し、世
界に台湾を見せ付けなければならない」というヴィジョンを実現することを期待するものである。
しかしながら、台湾独立建国聯盟は、蔡英文総統のいう「現状を維持する」ためには、「『台湾が
独立へ向かう』現状を維持」し、「チャイニーズ・タイペイ」を唾棄して、「台湾」の名で国際社
会に向き合うことを、改めて要求する。
台湾人民の改革への切実な願いを受け、新政権は、国民党の不正党資産の奪還には着手したもの
の、他方で、馬英九政権の8年間で無残に破壊された状態を引き継いでいる。蔡総統は、台湾社会
に長期間にわたり累積された政府への強烈な不信感を決して軽く見てはならない。もしこの不信感
が最終的に「民進党は国民党と同様に役立たずだ」という結論に還元されてしまえば、台湾の本土
政党の政権運営の基盤を損なうことになる。我々は、公衆の政府への信頼を再建するためには、た
ゆまず、引き続き、「政府の情報の透明化、問責制度の実現、公衆の統治への参画を拡大する」制
度を整備し、民主政治の基本原則を確実に実践することによってのみ、政府の統治能力を高めるこ
とができると考える。
台湾が正常で独立した国家へと向かう道において、中国は避けることの出来ない障害である。台
湾は、中国の圧力に屈っし、却って自らの政府の間違いを攻撃するという悪習に陥らないよう気を
つけねばならない。台湾人民が中国の圧力の下にありながら、自らの意思を堅持して蔡英文氏を台
湾の総統に選んだのだということを忘れてはならない。中国の、蔡英文政府に対するかのように見
える、さまざまな圧力と排斥は、実際のところ、台湾人民の意思を否定することにほかならない。
中国の圧力に対して、台湾人民は一丸となってそれを跳ねのけるべきである。「正名・制憲・国連
加盟」の推進は、新政権が引き続き「中国の圧力に対抗する」ために有利な応援となる。台湾独立
建国聯盟は、中国に対し、中国の圧力に直面した台湾人民は、台湾が正常な国家ではないこと、お
よび、台湾人民が受けるべきでない屈辱を受けていることを思い起こさせることにしかならないこ
とを告げるものである。台湾人民への中国の圧力は、台湾人民をして、一層、独立自主の道へと向
かわせ、国際社会からの承認を求めて奮闘するよう奮い立てるものにほかならない。
〔台湾の声編集部仮訳〕