台湾で政権交代が行われようとしていた直前の本年4月下旬、沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域
(EEZ)で違法操業していた台湾漁船を海上保安庁が拿捕(だほ)した。
(EEZ)で違法操業していた台湾漁船を海上保安庁が拿捕(だほ)した。
この拿捕をきっかけに、政権末期の馬英九総統はこれまでの主張を覆し、中国や韓国と同様、沖
ノ鳥島を岩と主張しはじめ、巡視船とともに軍艦まで派遣、日台間に緊張状態が続いた。
しかし、蔡英文総統は政権発足3日目の5月23日、「国連大陸棚限界委員会の決定を尊重し、決定
前には、この問題で法律上の特定の立場をとらない」と表明、馬前政権の主張を事実上撤回したこ
とは未だ記憶に新しい。この発表に胸を撫で下ろした人は少なくない。
また、双方の窓口機関である日本の交流協会と台湾の亜東関係協会が海洋協力について協議する
ための新たな枠組みとして「日台海洋協力対話」を設置することで一致した。第1回は7月28日に開
かれる予定だった。
その後、延期となっていた第1回「日台海洋協力対話」だったが、昨日、日台双方は10月31日に
東京で開くと発表した。
交流協会は「今回の会合では、双方が共に関心を有する幅広い課題について意見交換を行う予
定」と発表し、台湾の中央通信社は「台湾側は行政院(内閣)海岸巡防署(海上保安庁に相当)、
同院農業委員会漁業署、亜東関係協会の関係者らが出席。漁業協力、海難救助、海洋科学などの分
野について話し合う」と報じている。