【NHK】「日中交流促進」報道で台湾人観光客を中国人扱い

【NHK】「日中交流促進」報道で台湾人観光客を中国人扱い(付:映像+抗議呼び掛け)

 メルマガ版「台湾は日本の生命線!」より転載

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■NHKニュース7(2月9日)の問題報道映像

http://www9.nhk.or.jp/news7/movie.swf?v=pu130209

■中国の対日宣伝工作に加担するNHKに抗議を!

2月9日放送のニュース7の報道「“観光通じ日中交流促進”イベント始まる」に問題あり!「レーダーの照射問題」発生直後の中国大使の「関係改善」アピールの無批判な垂れ流しを許すな!「日中観光交流」の報道の中で台湾人観光客を映すな!

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NHK「日中交流促進」報道で台湾人観光客を中国人扱い

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2040.html

2013/02/10/Sun

■中国駐日大使の「関係改善」アピールに脚光

NHKニュース7(夜七時〜)は「日中平和友好条約締結から三十五年になるのを記念」して、「観光分野での結びつきを強めて行く。今日から山梨県で交流イベントが始まった」との話題を取り上げた。

舞台は山梨県富士吉田市。何でもこのイベントは「レーダーの照射問題など日本と中国の対立が一段とますなか、お互いの理解を深め合おうという動き」なのだとか。「日本と中国の観光当局などが企画」したもので、「両国が連携してこうした大規模な行事を開くのは、日本政府の尖閣諸島国有化以降初めて」だそうだ。

そして画面には式典でスピーチを行う中国の程永華駐日大使の姿が。流暢な日本語で次のように話していた。

「中国と日本の間にはまだまだ寒風が吹いているのは確かなことで、しかし私たちの努力で春を迎える気持ちで力を尽くして行かなければならないが、混乱を乗り越える努力をしなければならないと考えている」

そしてその上で、「程駐日大使は今日の会見で『関係改善に向けて努力を続けて行くべきだ』という考えを示した」と伝え、その「友好」アピールにことさら脚光を当てていた。

■中国の言う「関係改善」は「日本の譲歩」

こんなものを見せられると、全国の多くの視聴者は程大使に共鳴することだろう。だが問題は中国が日本に努力を求める「関係改善」とはいかなるものかだ。

たとえば習近平総書記は一月二十五日、訪中した山口那津男・公明党代表との会見で、こう伝えている。

「中国側の釣魚島問題での立場は一貫し、明確だ。日本側は歴史と現実を直視し、実際の行動で中国と努力し、対話と協議を通じで問題をコントロールし、解決する有効な方法を探さなければならない。歴史を鏡にして初めて未来へ向かえる。日本側は中国人民の民族感情を尊重し、正しく歴史問題を処理すべきだ」

これを言い換えるなら、「日本が中国侵略の過去を反省し、中国の主張、感情を尊重しながら尖閣諸島問題での協議に応じなければ、両国は未来志向の関係など結べない」となろう。つまり日本の領土を奪い取ろうとする中国に日本が屈服、譲歩することが、あの国の所謂「関係改善」というものなのだ。

■これでは中国の対日世論戦への「援護射撃」

程大使も二月六日、日本の政界関係者を招いた大使館での新年会で、「最近、山口代表らが訪中して指導者と会い、関係緩和に向けた条件が作られたが、一部の日本人は中日友好を望まず、両国関係に悪影響を及ぼしている」とスピーチし、尖閣諸島問題で「交渉の余地なし」として、領土防衛のため踏ん張る安倍晋三首相などを批判したばかりだ。

だが今回のNHKは報道は、そうした中国側の「悪意」に一切触れなかった。

「レーダーの照射問題」を引き起こされた直後の、こうした中国への好意的報道姿勢は一体何なのか。

これで視聴者が、政府の尖閣諸島国有化によって悪化した日中関係の改善に中国側が努力しているかの印象を抱き、日本側もそれに呼応すべきだとして、安倍政権に批判の声を向けるようになれば、程大使は自ら担う対日世論戦の戦果に酔い痴れるとともに、いつもながらのNHKによる「援護射撃」に目を細めることだろう。

■「台湾人の観光」も「日中観光交流」の一環に

NHKのニュースサイトでは、上記の報道は「日中の観光交流促進を 逆風下のイベント」とのタイトルで見ることができるが、この日は「北海道に台湾観光客 春節利用」とのニュースもアップされている。

そこでは「こちらは函館空港です。春節に併せて台湾からの臨時便が満席の状態で到着。明日と明後日の定期便もすべて満席だ。観光客が次々と降り立ち観光地へと向かっていた」とのナレーションが流れ、空港に到着し、マイクを向けられた台湾人観光客が「円安になった。いっぱい買い物ができそうで楽しみ」「一番楽しみにしているのは雪まつり」と語るという短い内容だが、驚くなかれ、この日のNHKニュース7では、この二つのニュースを合体させ、一つにして流したのだ。

つまり「日中の観光交流促進を」の報道の中に「北海道に台湾観光客」を組み込みまれていたのである。

■NHKからの侮辱を予想もしなかった台湾人

どういうことかを具体的に言おう。

まず冒頭で「“観光通じ日中交流促進”行事始まる」とのニュースタイトルが表示され、「レーダーの照射問題など日本と中国の対立が一段と厳しさを増す中、お互いの理解を深め合おうという動きについて。日中平和友好条約締結から三十五年になるのを記念して記念して、観光を通じて民間交流を促進するという行事が山梨県で始まった」と読み上げられた後、先ず映し出されるのがやはり山梨県で、富士吉田町に隣接する富士河口湖町の観光案内所。「明日から始まる中国の旧正月『春節』。中国人観光客が例年の十分の一に減少しているこちらの観光案内所では、今日から獅子舞で出迎えるサービスを始めた」とのナレーションが流れた。

ところがその後、北海道の函館空港に着陸する台湾からの旅客機が映った。そして「こちらは函館空港です」と始まる「北海道に台湾観光客 春節利用」のニュースが入るのだ。

そしてそれが終わると、再び画面は富士吉田市に。「観光分野での結びつきを強めて行く。今日から山梨県で交流イベントが始まった」として式典会場が映り、程大使のスピーチが始まるわけである。

このようにNHKは明らかに、「観光通じ日中交流促進」との大枠の中で、台湾人観光客の日本観光の話題を取り込んだのだ。言うまでもなく、「台湾は中国の一部」とする観点に立ってだ。

日本への親しみを抱いて来日し、インタビューに応じた観光客たちは、まさか自分がNHKによって中国人扱いを受けようとは、夢にも思わなかったに違いない。

■巧妙な印象操作に見る中国世論戦への迎合

「富士吉田市」における日中観光交流に関する報道で、唐突に「函館空港」を取り上げたのはあまりにも唐突で不自然だったが、しかし視聴者の多くはそうは感じられなかったはずだ。

なぜなら、取り上げ方が実に巧妙だった。「富士吉田市」の観光案内所の話題と同様、「明日から始まる中国の旧正月『春節』」絡みの話題として、「函館空港」を扱い、違和感を覚えさせないようにしていたのだ。

これでは中国の「台湾は中国の一部」とのプロパガンダに影響される大勢の視聴者は、ますますそうした誤認識、誤印象を深めることになる。

NHK自身がそうした誤認識に立っていたとはとても思えない。このような不自然な報道を、敢えて自然な形で行った目的は何かと言えば、中国への迎合。中国の対日世論戦への事実上の加担である。

これまでもNHKニュースは、中国の地図に台湾を組み入れ、あるいは東日本大震災被災地への各国別の救援物資一覧表で中国枠内に台湾を入れるなどしてきた。

中国の尖閣諸島奪取の動きは、台湾を併呑し、アジア太平洋地域での覇権確立を目指す国家戦略の一環であるが、そうした戦略に呼応するが如く、あの国の日本国民取込みの宣伝工作に協力しているのがNHKであるとの疑いは、今回の不自然極まりない報道によってますます深まるのである。


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