【問題提起】「国際交流」活動従事者の国際認識はこれでいいのか?ー台湾人ボランティアに悲しい思いをさせた「国際交流」

【問題提起】「国際交流」活動従事者の国際認識はこれでいいのか?
ー台湾人ボランティアに悲しい思いをさせた「国際交流」

作者:S

 ちょっと悲しい事がありました。

 先日、「某地域団体」と「某国際センター」が主催する多文化交流会に通訳ボランティアとして参加しました。

 私は同センターに語学通訳として登録をしています。今回はセンターから依頼を受けて、中国語通訳ボランティアとして参加しました。

 中国語の通訳と言うことで中国国旗の横に「中国」と印字されたシール(ワッペン代わり)を服に貼って欲しいと、現地の「地域ボランティアスタッフ(以下、スタッフと略称)」たちに言われました。シールは、参加者又はスタッフが「どこの国の出身で何語が話せるのか」を見分ける為のシールだそう。

 シールを一通り見ました。日本国旗、中国国旗、ベトナム国旗、ブラジル国旗、インドネシア国旗、バングラデシュ国旗、ネパール国旗、パキスタン国旗、ペルー国旗、ハンガリー国旗、マレーシア国旗、タイ国旗、タジキスタン国旗、ドイツ国旗、スペイン国旗、イタリア国旗、ロシア国旗...

 台湾は見当たりません。そこで、訊いてみました:
「私は台湾出身なので、台湾のシールはありますか?」

 結局、台湾のシールはありませんでしたが、次のようなやりとりがありました。

スタッフ:「台湾も中国語ですよね?【中国】のシールで良いじゃない?」

 私も相手(全員60代の女性)も含めて皆、ただのボランティアです。ここで揉めるのもあれなので、教えるつもりで、穏やかに説明をしました。

私:「台湾の人は、中国と書かれている中国国旗のシールは貼らないと思いますよ。嫌な気分になります。私は台湾出身なので、それは貼れません」とキッパリ。

スタッフ:「どこの国の言葉が話せるのかを見分ける為のシールだから、これを」と、また「中国」のシールを渡されました。

だから〜
違うから貼れないって言うてるやんか…
なんで分からんの?
アイデンティティーの問題だよ。

 ごちゃごちゃあったけれど、結局最後まで丁重にお断りして、自分で「中文」と書いたシールを貼りました。

 相手の日本人ボランティアは、ただ国際センターから依頼されて、渡されたシールを配るのが仕事。責められません。悲しかったけれど、それ以上なにも言いませんでした。

 でもこのシールを作った国際センターには残念というよりもガッカリです。全員に理解してもらうのはとても難しいと思いますが、今後、同センターに自分の見解などを述べたいと思います。


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★こちらから関連ファイルをご参照ください:

台湾人向けの選択肢がない国籍シール

手書きのシールをつけた台湾人ボランティア

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