【今日と明日・恵比寿】台湾祭り

【今日と明日・恵比寿】台湾祭り

               ITコーディネーター萩原 功

あいにくの台風ですが、台湾新聞によると恵比寿ガー デンプレイス「センター広場&時計広場」にて、2011年 9月 3日(土)・ 4日(日)11:00〜20:00 台湾祭りが挙行されます。詳しくこちらをご参照く ださい。http://www.taiwannews.jp/festa/
同サイトによると、この台湾祭りは「日本がもっともっと元気になってもらう為の復興支援イベント」とのことです。

麦酒好きの聖地恵比寿ガーデンプレイスで台湾料理や台湾の文物を楽しめば、私達日本人も、「もっともっと元気」になれ そうです。大変ありがたいイベントで成功を祈らずにはいられません。

マスコミの隠蔽によって小さくしか報道されていませ んが、心ある日本人の多くは、東日本大震災に際しての台湾からの支援・声援・義援金に深く感謝しており、台湾有り難うとの声を上げていま す。

また、私は、この台湾祭りを機に多くの日本人が台湾 の文物に触れ、台湾に興味と関心を持つことが日台の絆を強固にするものと期待します。
そして、従来からの交誼と東日本大震災に際しての支 援・声援・義援金に加えて、このようなイベントを開催された日本在留の台湾人の方々と協賛された台湾企業、後援・協力された日本企業に深 く感謝致します。
しかしながら、この台湾祭りには慶祝中華民国100 年記念というサブタイトルがついています。

中華民国は国際的には既に消滅し、国連常任理事国の 地位をはじめ在外公館などを、後継国家である中華人民共和国によって相続されており、中華民国体制の外側から見れば、既に中華民国は国家 の亡霊、国家のキョンシーにすぎません。
実生活上のリアリティーとして、李登輝前総統による 民主化・台湾化が進み、海外旅行も楽しめる自由で豊かな中華民国体制下の暮らしを見るとき、中華民国を台湾と同一視し中華民国100年を祝う台湾祭りを行うことが、中華民国籍の方々にとっては自然なのかもしれません。

けれども、中華民国100年とは本当に台湾の方々に とって慶祝すべきことなのでしょうか。
戦後、日本軍の武装解除をGHQから命じられただけ なのにもかかわらず、国共内戦に敗れた蒋介石国民党の中華民国は台湾に逃げ込み、居座り、不法占拠を続け今日に至ります。

今日、中華民国が100年の節目を迎えたと言うこと は、住民自決の原則に則り、台湾人の台湾人による台湾人のための台湾を作る台湾建国・独立が達成されず、弾圧・投獄・帰国禁止などの逆境 の中で台湾建国・独立に邁進してきた台湾の先人達と、それを支援してきた日本の先人達の努力が未だ実っていないことを意味しています。
また、今日、中華民国が100年の節目を迎えたと言 うことは、李登輝前総統に象徴される中華民国の内部から民主的なプロセスで台湾化を図ろうとしたアプローチも、未だ道半ばであることを意 味します。

そして、再び中国国民党が率いることになった中華民 国は、国共合作による中華人民共和国による台湾併呑を促進しています。
日本は日清戦争の結果、清国より永久割譲された台湾 の領有権を、サンフランシスコ条約で放棄しましたが、いかなる国家や政治勢力にも台湾の領有権を手渡しておりません。
したがって、中華民国による台湾の占拠は、中華人民 共和国による台湾併呑同様に、不法なものです。

奴隷解放で知られる米国大統領リンカーンの名言、人 民の人民による人民のための政治government of the people, by the people, for the peopleにあるように人民自決の原則により台湾は台湾人のも のであり、台湾人の台湾人による台湾人のための台湾政府が元来実現されるべきなのではないでしょうか。

その実現に寄与するために、中華人民共和国による台 湾併呑に対抗する日本版台湾関係法制定や台湾建国・独立への直接・間接の支援を行うことが、台湾の方々への感謝を具体的な形にする上で重 要であると、私は考えます。
そして日台の絆の綻びとなりかねない台湾出身の日本 兵や従軍看護婦への日本人との待遇・処遇の格差を改め、日台同等待遇を実現することも、台湾の方々への感謝を形にする上で重要なのではな いでしょうか。

折角の台湾祭り、日台交流の好機ですので、台湾の声 読者の皆さまには台風による強風などに御気をつけの上、ぜひ恵比寿ガーデンプレイスに足を運ばれ、存分にお楽しみ頂きたく、あわせて現在 台湾の方々が置かれている複雑な状況について思いをめぐらせて頂き、日本国民が台湾の皆さんへの感謝の気持ちをどのような形で具体的な政 策などに反映させていくべきかについても思いを致して頂ければ、幸いです。


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