【システムの整備が必要】台湾の高齢者介護について

【システムの整備が必要】台湾の高齢者介護について

                台湾の声編集部

台湾では「お年寄りは家の宝」と言われ、家族に大事にされている。「父の日」や「母の日」は、子供たちが一族の最長老を筆頭とする父、母たちに感謝する一大イベントで、レストランや自宅に集い、にぎやかに祝う。

そんな古き良き伝統が残る台湾だが、少子高齢化の問題は日本よりもさらに深刻で、8年後には5人に1人が65歳以上の世界一の超高齢化社会となる。共働き世帯が多く、家族による介護は負担が大きい。しかし、だからと言って老人ホームに入居させるのは世間体が良くないと考える。そのため、20年以上前からフィリピンやインドネシア、ベトナムなどの女性の外国人労働者を仲介業者を通して雇用し、自宅の一室を与えて同居させ、高齢者の身の周りの世話をしてもらうというシステムが広く流通している。

彼女たち住み込みの外国人労働者は、介護者のほか、家政婦やベビーシッターとしても、台湾の多くの家庭で活躍している。だが、外国人労働者を自宅に受け入れるのは、住居の間取りが狭く、他人と同居することを好まない日本人にはそぐわないだろう。

また、どれだけの台湾人が気づいているかは分からないが、一般家庭の中に雇用者と非雇用者が存在するという状態が続くと、「主人と召使い」の関係になったような「錯覚」を起こし、「召使い」に対して高慢に振る舞うという見苦しさも、残念ながら散見される。これは、子供たちの成長過程に少なからず良くない影響を及ぼすのでは、と心配だ。形を変えた「小皇帝」が多くなってしまったら、別の意味で台湾社会が中国的になってしまうと危惧するのは、考えすぎだろうか。

日本では、在宅介護世帯でも、介護保険制度により外部の支援を多く受けられる仕組みが整ってきている。訪問ヘルパーやデイサービス、ショートステイなどだ。昨今増えている同居の子供や配偶者による高齢者殺害事件の悲劇は、こうした社会支援システムを利用できていなかった家庭で多く起きている。

2025年までに38万人の介護人材が不足すると言われている日本でも、外国人介護福祉士の受け入れが始動した。今年9月には、日本の専門学校を卒業した外国人を対象に介護ビザが施行された。

10年後、高齢者を取り巻く台湾と日本の社会はどのような社会になっているのだろうか。互いに学ぶべきところを学び合って、お年寄りが尊厳を持って天寿を全うすることができ、かつ若者に負担が重くのしかからないために、社会のシステムを整えてゆく必要がある。


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