【逆行】馬英九が“中国”使用を禁止、“大陸”を強制

【逆行】馬英九が“中国”使用を禁止、“大陸”を強制

           「台湾の声」

 馬英九総統は2月7日、台湾政府各省庁の首長に対し、“対岸”(中国)の呼
称について、“中国大陸”または“大陸”と呼ばなければならないと要求し、公
文書での“中国”の使用禁止を指示した。

 馬総統は、“大陸”を“中国”と呼ぶことは、「中華民国が唯一の中国」とい
う「中華民国」憲法の精神に反し、「一つの中国」を各自表明する「1992年合意
」に反するものであるとの持論を展開し、「過去の公文書で対岸を“中国”と呼
称しているのは重大な間違い」と嘯いた。

 馬総統は、中国国民党のイデオロギーに基づき、「台湾も中国大陸も中華民国
(中国)の一部」との政治的主張を堅持するよう求めたものだが、これは馬総統
の公約である「不統、不独、不武」の「不独」(台湾独立せず)を実践するもの
であり、「一中一台」や「2つの中国」を否定し、「一つの中国」を堅持してい
ることを“対岸”にアピールして“両岸”の経済関係強化などを促進する狙いが
あると見られている。

 しかしながら、「中国は中華民国」などという虚構は現実から乖離しており、
日本を含め中華人民共和国(中国)と国交のある多くの国は「中華人民共和国が
中国の唯一の合法政府」であることを承認しており、馬総統が「台湾は中国の一
部」と率先して主張することは国際世論をミスリードすることになりかねない。
フィリピン政府がこのほど台湾人の詐欺容疑者14人を中国に引き渡したのも、こ
れと無縁ではない。また、「中華民国」憲法を堅持する馬総統の主張から見ても
、「中華民国」憲法がいかに現実と乖離したものであるかが改めて浮き彫りにな
った。


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