【読者便り】馬の再選は中華民国と中国国民党の自殺につながる

【読者便り】馬の再選は中華民国と中国国民党の自殺につながる

          ITコーディネーター 萩原 功

2012年2月14日の総統選の結果、中華民国は馬英九氏が総統に再選されました。
私達が尊敬してやまない李登輝前総統が支持された蔡英文氏は惜 しくも敗れま
した。

これは、台湾正名化・台湾建国の終わりを意味しているのでしょうか。そうでは
ない、断じてそうではありません。これは、台湾正名化・台湾建国の終わりで
はなく、新たな始まりを意味しているのだと、小職はかんがえます。

中華民国の圧政と国民党内の困難な状況に耐え、遂に中華民国総統になられた李
登輝前総統は、中華民国の中から穏当に無血革命を通じて台湾を建国さ れよう
として台湾正名化を進め、中華民国の民主化と台湾意識の高揚に努められました。
民主化と台湾正名化の持続は、非常に困難な道であり、馬総統の再選により、よ
り大きな困難、逆風の中に立つものと思われます。

しかしながら、今般の選挙で蔡英文候補があらゆる妨害や中国国民党に有利な選
挙制度のなかで、現職の馬総統と大接戦を演じたことは、李登輝前総統 が進め
た中華民国の民主化と台湾人意識の高揚が、着実に大きな成果を上げたことを意
味しております。

われわれは、この台湾正名化の成果をもとに、中華民国の桎梏を脱して台湾を建
国しようとする勢力を支援し、名実共に台湾を正名化していかねばなり ません。
なぜならば、李登輝前総統が慎重かつ入念に進め、蔡英文氏に今後を託した台湾
正名化、中華民国の中から穏当に無血革命を通じて台湾を建国されよう として
来られた努力は、残念ながら馬総統の再選により、大きな曲がり角に達したと言
わざるを得ないからです。

馬総統が国共合作により中華民国と中華人民共和国を接近させつづけ、中華人民
級和国による台湾併呑を促進するならば、中華人民共和国の脅威は我が 国の領
土・領海並びにシーレーンに及び、我が国の対中属国化を促すことになります。
我が国を失えば、米国の西太平洋からインド洋にいたるまでの覇 権もまた、大
きく後退することになります。

台湾併呑など中華人民共和国が展開している瀬戸際戦略が、大国の短期的な座
視・静観の上になりたつものであり、このような戦略が最終的に戦争と破 滅に
結びつくことは、戦前ドイツの興隆と破滅の証明するところです。

民主主義の守護者を自認し世界の警官としてふるまってきた米国と、台湾の深い
関係をもつ日本が、中国国民党による台湾の不法占拠と、その支配機構 として
の中華民国の存在を許してきたのは、中華人民共和国や旧ソ連などの共産主義勢
力への防波堤として中華民国の役割によるものです。

馬総統がすすめる対中接近と台湾併呑の促進は、日米にとっての中華民国の存在
価値を失わせ、国際貿易によって立つ台湾経済を破壊し、台湾の戦場化 に結び
つくものであり、馬総統の再選は中華民国と中国国民党の自滅・自殺を意味して
いると小職は考えます。

また、今回の選挙結果は、台湾建国による中華民国から脱却以外に台湾が中華人
民共和国による併呑を逃れる道がなくなったことを意味しているとかんがえます。
すなわち、馬総統の再選は、台湾正名化・台湾建国の終わりではなく、避けがた
い新たな始まりを意味しているのです。

さて、我が国に於いては、長年台湾建国に献身的に関与されてきた先達や正名化
運動の先頭に立たれて来た林建良「台湾の声」編集長の活動を背景に、 法律家
である飯田義人先生等の貢献により、在日台湾人の在留カードの国籍欄に中国で
はなく台湾という表記が行われることになり、既に在留カード交 付の事前申請
が始まっています。

ところで、我が国は敗戦の結果、サンフランシスコ条約で台湾の領有権を手放し
ましたが、いかなる国家にも、台湾の領有権を手渡してはおりません。

この事実に基づき、本年七月から交付が開始される在留カードの国籍欄における
台湾の表記は、所属未定の地域としての台湾を意味し、台湾を不法占拠 する中
華民国を我が国が認めず、台湾を自国の一部とする中華人民共和国の主張を我が
国が認めていない事を意味しています。

在留カードの国籍欄における台湾の表記、我が国における台湾正名化運動の一つ
に成果として、中華民国や中華人民共和国による台湾領有が明確に否定 され、
台湾建国の前提となる台湾の所属未定が、我が国の制度上で認められたことを意
味します。

ついては、今回の馬総統の再選を契機に、私達日本人は台湾建国を支援し、李登
輝前総統や林建良「台湾の声」編集長が推進された台湾正名化が名実と もに実
現するよう、引き続き努力することを誓い、奮起すべきであると考える次第です。


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