【蓮舫民主党党首】日台の懸け橋になりえない

【蓮舫民主党党首】日台の懸け橋になりえない

           札幌市  海原 創

 蓮舫氏が日本の最大野党党首になるに及び、各方面で取り沙汰されている
氏の国籍問題が賑やかである。日本国の法律で重国籍が禁止されている以上、
この疑惑を解明しておくことは政治家として当然であろう。
 
これとは別により追及されるべきは、最大野党の党首として今後日本の政治に
少なからぬ影響をもたらすと予想される彼女自身の政治理念や党運営の方針で、
その輪郭がいまだ不明瞭であることだ。

 台湾人を父親とすることを知ったとき、このような人材であれば必ずや将来
日本と台湾の将来のために大きな懸け橋となり、極東アジアの安全保障に政治
生命を捧げると明言するであろうことを期待して止まなかった。もし彼女が今からでも
それを政策として掲げてくれたら、そこに初めて本人のみならず党としての進路や
世界観が鮮明となり、日台両国により多くの支持者が現れるはずである。

 しかし残念ながら彼女の華やかな立ち居振る舞いや得意の弁舌からはそのような
次元の問題意識がまったく見えてこない。

 「日本人として日本のために全力を尽くす」 ところまでは常識の範囲であるにしても
平和憲法の護持や安保法案を廃絶に追い込むために共産党との連携に踏み切った
恥知らずの岡田路線の継承を公約するに及び、国民の多くは彼女の見識を疑い始めた。
健全野党が育つことを願ってきた筆者は、もし(日本の)民進党が自民党の一党支配に
取って替わる政権の受け皿になりたいのであれば、国民の80パーセントが所望する

 憲法改正、国家の安全保障を率先して政策の第一に掲げるべきであり、与党との論争は
国内問題に集約すべきであると主張してきた。いまや支離滅裂な民進党内状況からみて
それは叶わぬ夢であろうが、蓮舫氏が主張してきた「明るい政治」「幸せな政治」の実践という、まるで学園祭のキャンペーンのような掛け声にそれを期待することもまた果たせぬ夢であろう。

 せっかく台湾と日本双方の血が流れる人材が、政治的栄光と権力の座にあこがれる余り
情緒的、観念的平和主義に流されてゆくのがいかにも残念でならない。


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