【日台合作】台湾語を日本のメロディーに乗せて

【日台合作】台湾語を日本のメロディーに乗せて

             台湾の声編集部 加藤秀彦

台湾で聞き覚えのある日本曲のメロディーに乗せて、台湾語で歌っている曲を聴いたことないだろうか。
古い曲でしばしば見受けられるが、日台合作ポップカルチャーの先駆けとも言える。

歴史を調べると日本統治時代初期からそのような楽曲が出現し、戦時中の軍歌も台湾語のものがある。
戦後の蒋介石時代になっても、日本の曲を元に台湾語歌詞をつけた曲が作られている。
例えば「リンゴの唄」を元にした台湾語歌詞の「南都之夜」(詞:鄭志峰)や、「牡丹の曲」を元にした「望你早歸」(詞:那卡諾)などがある。

しかし戒厳令が敷かれると、歌謡も検閲対象となった。
国民党にとって都合が悪いものは歌唱禁止となったのだ。

ここで「媽媽我也真勇健」という曲を紹介したい。
この曲は日本の軍歌「郷土部隊の勇士から」のメロディーで、歌詞を台湾語にしたものだ。
日本版は「島のバナナが喰べたいと 若い戦友の独り言~♪」で始まり3番まである曲だ。
台湾出身の兵士を連想する歌詞で、楽しげな曲調であることから戒厳令が敷かれても十年ほどは禁止されることなく、軍でも歌われていた。
しかし、あるとき突然歌唱禁止になった。

実はこの歌の日本語版は一般的に3番までしか知られていなかったが、戦時中に発売されていたレコードには4番が収録されていることが分かったのだ。

国民党の逆鱗に触れた部分はこちら。
 銃にかざした日の丸が 汚れて黒くなったけど~♪
 蒋介石の本陣に きっと立てるぞこの旗を~♪

兵役に就いた台湾人がこっそり4番を歌っていたかも知れないと考えると、思わずニヤリとしてしまう。

・参考文献
戰後台語流行歌曲的發展(1945∼1971)(國立中央大學歷史研究所
黃裕元)

・郷土部隊の勇士から(鄉土部隊勇士的來信)
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