10月8日、李登輝前総統がアメリカ上院内で制憲演説

ワシントンの「台湾憲法制定シンポ」で台北から映像回線を通じて演説

 今朝の産経新聞の報道によると、李登輝前総統は10月8日、ワシントンの台湾系
研究機関「台湾国際関係センター」(CTIR)が主催し、上院内の会議室で米
上下院議員や学識経験者ら約250人が参加して行われる予定のシンポジウムにおい
て、台北からの映像回線を通じて、民主化された台湾の主権確立のため新憲法制
定の必要性を英語で演説するという。
 台湾からは、日本でもよく知られた辜寛敏・総統府資政(上級顧問)や昨年12
月末に日本李登輝友の会でも講演していただいた姚嘉文・考試院長らが訪米して
このシンポに参加し、米側からは、ジェームズ・アワー元国防総省日本部長や元
国務省中国専門家のヘリテージ財団研究員、ジョン・タシク氏ら中台問題に詳し
い専門家が講演し、台湾の新憲法制定と米中台の関係について討議する予定だと
いう。
 台湾の新憲法制定問題については本誌でもたびたび取り上げている。統治権が
極端に制限された占領下において制定された日本国憲法(1946年憲法)を抱える
日本と、占領軍(蒋介石軍)が持ち込んだ憲法(1946年憲法)を抱える台湾の現
状は極めてよく似ている。「占領憲法の克服」という共通するテーマを抱えてい
る。
 台湾の制憲運動については、すでに10月1日付の本誌でも報道したように、本会
理事でアジア安保フォーラム幹事の宗像隆幸氏による『制憲パンフ』があり、ま
た、来る10月11日には、日本からも勝田吉太郎・京都大学名誉教授などがパネリ
ストとして参加する群策会主催のシンポが台北で開かれ、李登輝前総統が「台湾
の憲法制定はアジア安全保障の礎になる」と題した基調講演を行われることにな
っている。
 さらに、11月28、29日には、憲法問題に造詣が深く著書もある本会の小田村四
郎会長、伊藤哲夫常務理事、宗像隆幸理事の3氏もパネリストとして参加する制憲
シンポが台湾で開催されることになっている。
 日本も台湾も、国の基本法である憲法問題という、力を合せて克服すべき大き
な課題を抱えているのが現状で、台湾が新憲法を制定して安定すれば、日本もま
た台湾海峡への不安を払拭できるのである。          (編集部)


新憲法制定 李登輝氏、米に理解訴え 上院内で映像中継演説へ

【産経新聞 10月5日】

 【台北=河崎真澄】台湾の前総統、李登輝氏が、ワシントンの米上院内施設で
八日行われる「台湾憲法制定シンポジウム」で、台北からの映像回線を通じて演
説する。関係筋が四日語ったもので、民主化された台湾の主権確立のため新憲法
制定の必要性を訴え、米政界関係者に理解を求める。
 このシンポジウムはワシントンの台湾系研究機関「台湾国際関係センター」(
CTIR)が主催し、上院内の会議室で米上下院議員や学識経験者ら約二百五十
人が参加の予定だ。
 台湾からは、辜寛敏・総統府資政(上級顧問)や姚嘉文・考試院長らが訪米し、
シンポジウムに参加の予定。米側からは、ジェームズ・アワー元国防総省日本部
長や元国務省中国専門家のヘリテージ財団研究員、ジョン・タシク氏ら中台問題
に詳しい専門家が講演し、台湾の新憲法制定と米中台の関係について討議すると
いう。
 李氏は、米東部時間の八日午前(日本時間同日夜)に台北市内の中継会場から
英語で、来賓として約三十分間演説する。関係筋によれば、演説で李氏は、一九
四六年に南京で制定された現行の憲法が台湾の現状にそぐわない点を軸に新憲法
制定の必要を訴える。一方、独立問題と絡む「国名」「国歌」「領土」の新憲法
での表記には、直接言及しない見通しだ。
 李氏は一九九五年六月の非公式訪米で、母校の米コーネル大学でも講演してい
る。
 李氏は今年七月にスタートした「台湾制憲運動」の発起人代表で、陳水扁総統
が昨秋打ち出した住民投票による二〇〇六年の「新憲法」制定と〇八年施行の方
針実現に向けた世論形成を進めている。運動の推進リーダー、黄昭堂・総統府国
策顧問は、「押しつけではない独自の新憲法を台湾住民が民主的に制定すること
と台湾独立論議に関係はない」と話し、新憲法制定が中国の武力行使を招くとの
国際社会の懸念を除きたい考えだ。