違和感を覚えた。というのは、2012年(平成24年)12月末以降、法務省が発表する外国人登録者数に係る「在留外国人統計」などの統計では台湾と中国を区別しているからだ。それは、法務省のホームページできちんと説明している。
<平成23年末までの外国人登録者数に係る統計では,台湾を中国に含めておりましたが,新しい在留管理制度で交付される在留カード及び特別永住者証明書(以下,「在留カード等」という。)では,国籍・地域欄に「台湾」と表示することとなったため,平成24年末から中国とは別に集計することとしました。>
また、法務省が昨年(平成29年)10月12日に発表した「平成29年6月末現在における在留外国人数について(確定値)」という報道資料を見ても、平成24年末からは台湾と中国を分けて発表している。
◆法務省「国籍・地域別在留外国人数の推移」(平成29年10月12日) http://www.moj.go.jp/content/001238032.pdf
それを、どうして日本に滞在する中国人・中国出身者に台湾を含ませなければならないのだろう。日本の行政機関が発表した統計数字を改変してまで報道するのは、台湾は「中華人民共和国の領土の不可分の一部である」とする中国政府の立場に媚びへつらっているとしか思えない。
百歩譲って、中国メディアの「今日頭条」なら致し方ないとしても、それを紹介する「サーチナ」の解説に法務省が台湾と中国を別々に集計していることへの言及がないのは、どうしたものだろう。そこに、岩波書店の『広辞苑』と同様の違和感を覚える。
ちなみに、法務省が昨年11月20日に公開した6月末現在の「国籍・地域別 在留資格(在留目的)別 在留外国人」の統計では、台湾人は5万4,358人。在留資格別では、留学:9,551人、ワーキングホリデー:3,704人、永住者:2万821人だった。詳しくは下記の「在留外国人統計」をご覧いただきたい。
◆法務省「在留外国人」(平成29年11月20日) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&lid=000001196143
—————————————————————————————–在日中国人、過去最多の92万人に 中国ネット「口では反日と言っておきながら・・・」【サーチナ:2018年1月18日】
中国メディア・今日頭条は16日、日本に滞在する中国人・中国出身者(台湾を含む)の数が2017年6月末現在で過去最高の92万人を突破したと伝えた。
記事は、法務省が発表した最新データで、17年6月末現在で日本に滞在する中国人の人口は76万5844人だったと紹介。これに1952年から2016年までに日本国籍を取得した中国出身者13万8543人、不法滞在者1万2733人、元中国残留孤児5208人を加えると、在日中国人・中国出身者は約92万2000人になるとした。元中国残留孤児は「文化的な意味での中国人」と説明している。
また、日本に滞在する中国籍(台湾を除く)の人口は71万1486人で前年同時期より3万3916人増加したほか、在留資格の種別では永住者が最多の24万3690万人に達し、在日中国人の生活が安定化の傾向にあることが明らかになったと伝えた。
在留資格で次に多かったのは留学の11万4967人、技能実習の7万9959人の順となっている。就労ビザでは「技術・国際業務・人文知識」が7万4621人と依然トップで、調理人を主とする「技能」が1万5431人、「経営・管理」が1万1791人と続いた。さらに、日本政府がハイレベル人材呼び込みのために新設した「高度な専門職」ビザ取得者は3642人いたという。
中国のネットユーザーは「移民がいない国は、強い国はなり得ない」、「みてみろ、口では反日だの何だのって言って、みんな日本に行ってるじゃないか」、「歴史的な恨みはさておき、自分も日本は好きだ」、「日本は魅力に満ちた国」といった感想を寄せた。また、中には「自分の家が良ければ、誰が他所に行こうとするだろうか」とし、中国国内の社会に改善の余地があるとの見方を示すユーザーもいた。(編集担当:今関忠馬)