司法の現状について「司法が国民感覚から離れ、国民から信頼されず、司法が犯罪撲滅に効果的で
なく、司法が正義を守る最後の一線を失っているというのは、国民が広く感じていること」と指摘
し、司法改革について積極的に推進すると述べた。そして「新政権の決意を示すため、我々は今年
10月に司法国是会議を開催」すると宣言した。
そこで7月11日、蔡英文総統は謝文定氏を司法院大法官並びに司法院長に、林錦芳氏を大法官並
びに副院長に指名した。
ところが、「蔡氏が指名した院長候補は『国民党独裁政権下で順調に出世を遂げてきた人物』
(関係者)。民進党内の反発も引き起こし、正副院長人事が白紙に戻された」(8月20日付「時事
通信」)という経緯をたどる。
昨日(10月25日)、立法院は新たに司法院長に指名された許宗力氏(元司法院大法官)と副司法
院長に指名された蔡炯燉氏(最高裁判所裁判官)の人事に賛成多数で同意し、11月1日に就任する
ことになったという。
立法院、司法院正副院長新人事に同意
【台湾国際放送:2016年10月25日】
立法院が、司法院の新たな正副院長の人事に同意した。立法院では25日午前、司法院長に指名さ
れた許宗力・元司法院大法官と、副司法院長に指名された最高裁判所の蔡炯燉・裁判官の人事に対
する同意権行使の投票が行われた。司法院長は大法官会議の主席も兼任する。
最大野党・国民党は、許宗力氏が憲法解釈などを行う大法官に再び就くことは憲法違反の疑いが
あるとして投票を拒否、蔡炯燉氏に対する同意権の投票のみ行った。また、野党・親民党も許宗力
氏は大法官に適任ではないとして、反対票を投じる方針を明らかにしていた。
しかし、人数で優勢な与党・民進党が全員支持し、許宗力氏の司法院長就任は同意72票、反対3
票で承認された。蔡炯燉氏の副院長就任も同意83票、反対2票で承認された。
蘇嘉全・立法院長は、「許宗力氏は立法委員全体の過半数の同意票を獲得、法に基づき、司法院
大法官並びに司法院院長となることを承認する。また、蔡炯燉氏も過半数の同意票を獲得、法に基
づき、司法院大法官並びに司法院副院長となることを承認する」と宣言した。