菅官房長官はその日の午後も記者会見を行い、新元号「令和」に関する質問が大半の中、産経新聞記者から、3月31日に中国の戦闘機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に侵入するという事態について台湾政府は挑発行為だと反発しているが、日本政府の受け止めはどうかという質問を受け、下記のように応えた。
<台湾海峡の平和と安定は地域、世界にとって極めて重要であります。両岸の問題が当事者間の直接の対話により平和的に回避されることを強く期待をしております。そうした観点から、台湾海峡を巡る関連動向については引き続き注視していきたいと思っております>
菅官房長官は「台湾海峡の平和と安定は地域、世界にとって極めて重要」という認識を示し、暗に台湾海峡の平和と安定を乱す中国を非難しつつ、「台湾海峡を巡る関連動向については引き続き注視していきたい」と中国を牽制したかたちだ。下記に記者会見の動画(11分59秒)をご紹介したい。
この発言を受け、中央通信社は、台湾政府が「日本側が公の場で両岸情勢への関心を示したことを好意的に受け止め、感謝すると述べた。台湾は引き続き防衛力を強化するとともに日米など近い理念を有する国と連携し、民主主義や自由を共同で守り、インド太平洋地域の平和と安定を維持していくとした」と報じ、また、米国も「ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は現地時間1日、ツイッターで『中国の軍事的挑発は台湾の人々のいかなる心もつかめない。民主主義を大切にする各地の人々に決意を強くさせるだけだ』と言及。『台湾関係法とわれわれの約束ははっきりしている』と表明した」と伝えている。
◆菅義偉・官房長官記者会見[4月1日:10分46秒〜11分23秒] https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201904/1_p.html