として、蔡英文氏自ら総統府秘書長に決まった林碧[火召]氏と国家安全会議秘書長に就任する呉
釗燮氏を紹介した。
総統府の秘書長は内閣官房長官に相当するいわば番頭役で、総統を内から支える最重要ポストだ
と言われる。蔡氏は、李登輝総統時代に国家安全会議の副秘書長を務め、蔡氏とともに「二国論」
構築作業に携わった、政治大学外交系教授で同大学の副学長をつとめたこともある国民党所属の林
碧[火召]氏を抜擢した。
しかし、林秘書長は5か月後の10月20日に辞職してしまった。秘書長を引き受けた当初の目標が
達成されたという理由だった。後任は劉建忻・副秘書長が代行していた。
昨日、蔡英文総統が空席だったこの総統府秘書長に国家安全会議秘書長の呉釗燮氏を充てる
と発表したという。それを伝える産経新聞の記事を下記に紹介するが、「国家安全会議秘書長には
元参謀総長で同会議諮問委員の厳徳発退役上将(大将)が就任する」とも報じている。
厳徳発氏といえば、制服組トップの参謀総長だった2015年5月27日、ハワイの真珠湾で行われた
米国太平洋軍司令官交代式に李喜明・海軍司令官とともに招かれたこともあり、米国との関係は深い。
ちなみに、李喜明氏は、ニミッツ元帥やリチャード・アーミテージなどを輩出している米国のア
ナポリス海軍兵学校への留学経験があり、潜水艦艦隊長も経験しているという。潜水艦国産化や台
湾軍の軍政整備を目指す蔡英文総統の信任を得、本年4月28日、国防部軍政副部長から参謀総長に
就いている。
台湾・総統府秘書長に呉氏
【産経新聞:2017年5月18日】
台湾の蔡英文総統は18日、空席が続いていた総統府秘書長(官房長官に相当)に、総統の諮問機
関「国家安全会議」の呉●(=刊の干を金に)燮秘書長を充てることを決めた。中央通信社が伝え
た。呉氏は陳水扁政権で駐米代表、政権交代前の民主進歩党では蔡主席の下で党秘書長(幹事長)
を務めた。呉氏の後任には、元参謀総長で同会議諮問委員の厳徳発退役上将(大将)が就任する。
総統府秘書長は前任者が昨年10月に辞任して以降、空席だった。
(台北 田中靖人)