年)創業の130年続く九谷焼窯元。ここで、九谷焼の繊細さに魅了された台湾の女子留学生2人が職
人に伝統の技を学んでいるという。中日新聞が伝えているので下記に紹介したい。
上出長右衛門窯は現在、6代目となる上出惠悟(かみで・けいご)氏が継いでいるという。ある
インタビューで、芸大時代に「父親には『帰ってくるな』と言われました。産業自体が衰退してい
て『先が見えないから』という理由で」という話を紹介していてしている。
また「ハイメ・アジョンとのプロジェクトで、五代目の父親が前面に出てくれたことで、ようや
く長右衛門窯の名が少しずつ知られるようになっていきました」とも話している。ハイメ・アジョ
ン氏はスペイン人デザイナーで、ハイメ氏によるデザインで九谷焼の徳利などを作り出す上出長右
衛門窯との奇跡のコラボレーションだったという。
この5代目が上出雅彦(かみで・まさひこ)氏。着物の着付けからお茶、謡までプロの域でこな
す一方、台湾への関心も人一倍深いという視野の広さを併せ持っている。台湾の女子留学生2人が
伝統の技を学んでいることは、6代目惠悟氏の包容力もさることながら、5代目雅彦氏が切り拓いた
新しい世界とも無縁ではなさそうだ。
上出惠悟氏へのロングインタビュー『つながりのなかから生まれる可能性』は、父を尊敬してい
ることが伝わってくる、長いが読み飽きさせないインタビューだ。下記に中日新聞の記事と併せて
ご紹介したい。
◆上出惠悟『つながりのなかから生まれる可能性』
https://www.gap1969.jp/interview/vol1/
◆九谷焼窯元・上出長右衛門窯
〒923-1123 石川県能美市吉光町ホ65
Tel: 0761-57-3344 / Fax: 0761-58-5344
Website:http://www.choemon.com/
九谷の技 夢への一歩 能美の窯元で台湾2留学生
【中日新聞:2017年7月15日】
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20170715/CK2017071502000045.html
写真:成形技術を学ぶ黄沛碗さん(左)と許容●さん=能美市吉光町で
能美市吉光町の九谷焼の窯元・上出長右衛門窯で、今月から九谷焼の繊細さに魅了された台湾の
女子留学生2人が、職人に伝統の技を学んでいる。夢はそろって、故郷で自身の陶芸工房を開くこ
と。2人は「精緻な九谷焼の上絵付けを学び、将来的にデザインに生かしたい」と先を見据えてい
る。(吉野淳一)
◆故郷で工房開きたい
2人は、商品デザインを学ぶ台湾・台中市の大学を6月に卒業した黄沛碗(コウペイワン)さん
(20)と、同大5年の許容●(コウジョンシェン)さん(19)。能美市内のアパートを借りて5日か
ら窯元に通っており、9月2日まで滞在して技術を学ぶ。
窯元は2人を無償で受け入れている。六代目上出長右衛門・上出恵悟さん(35)は「技術は人に
教えることで深まる。職人たちの刺激になれば」と狙いを話す。
黄さんは独学で勉強した日本語を流ちょうに操り、許さんは昔から浮世絵のファン。もともと日
本文化に興味があったという2人が九谷焼に関心を寄せたきっかけは、昨年9月のこと。大学であっ
た上出さんの講演で九谷焼を知り、絵付けの細密さに心を奪われた。
2人は「台湾にも陶芸はあるが、九谷焼ほど細やかに絵付けする作品はあまりない」と魅力を語
る。大学による窯元への留学生募集に応募し、ともにアルバイトで交通費や滞在費をためた。許さ
んは夏休みを利用し来日している。
現在はろくろなどでカップなどの成形を練習しており、今後、絵付けや染め付けの技法も学ぶ。
二人によると、台湾では最近、ティーセットが人気。「学んだ技術を生かして人気のティーポット
を作りたい」と夢見ている。
●は王へんに宣