テレビ各局が連日、世界各地での「聖火リレー」への抗議の模様について報道してい
るおかげで、中国共産党政府がいかに世界各国から非難されているのかを、国民全体が
理解し始めています。その学習効果は絶大です。
今朝も、インドでもぶざまな聖火リレーの様子が延々とテレビで報じられ、ニュース
を見ていた小六のわが子も「毒ギョーザで謝らないし、重慶のサッカーでもひどかった
し、中国って本当にひどい国だ」と、怒っていました。クラスでも話題になっているら
しくて、チベットで中国が何をしたのか、またしているのか、丁寧に説明すると、わが
子も真剣に聞いていました。
チベットの人々が命懸けで抗議をしているのに呼応して、会社で、家庭で、学校で、
チベット大虐殺の非道ぶりを話題にしていきましょう。
なお、昨日朝、議員会館では、「真・保守政策研究会」が開催され、チベット弾圧に
対する抗議声明を採択しましたので紹介します。
中国に対する決議
チベット問題を契機に、いま世界の眼は中国に向けられています。そのチベットで今
も進行中の人権弾圧、民族の文化・言語・アイデンティティへの抑圧、あるいはウイグ
ル等の他の少数民族、宗教者、そして弁護士や知識人等への呵責ない取締りと圧迫等々、
その人権状況への懸念と憂慮が高まっているからです。
今回のオリンピック誘致に当たり、中国政府は自国内の人権状況の改善を世界に向け
て公約しました。にもかかわらず、この公約履行への誠意ある姿勢は未だに見られませ
ん。それどころか、むしろ人権状況は悪化の一途とさえいえます。
オリンピック憲章には、オリンピックの目的として「人間の尊厳を保つことに重きを
置く平和な社会の確立を奨励すること」との一項があります。しかし現在、世界の人々
の眼に共通に映じている中国の姿は、残念ながらその対極にあるというべきではないで
しょうか。
問題は人間の尊厳だけではありません。われわれは中国のここ数年における異常な軍
事力増強にも重大な憂慮の念を抱きます。その増強ペース、内容の不透明性等、それは
どう考えても「平和な社会の確立」とは無縁であるからです。
と同時に、東シナ海におけるガス田開発の推進、先般の冷凍餃子問題に対する当局の
不誠実な対応……等々、このような中国の姿勢に対する日本国民の疑念や不信もいや増
しに高まっています。
いま世界の各都市では、オリンピック聖火リレーへの激しい抗議の声が巻き起こって
います。また、各国首脳のオリンピック開会式への欠席表明も相次いでいます。われわ
れはこうした中で、日本国民もまた中国政府に対する重大な懸念と憂慮の念を明確に表
明すべきであると考えます。中国は日本の国連安保理常任理事国入りに反対しておりま
すが、「国際の平和及び安全」と「人権及び基本的自由の尊重」は国連憲章の基本理念
でもあり、われわれが切に希求する目標でもあるからです。
以下、声明します。
一、中国政府は現在チベットで進行中の人権弾圧を即刻停止し、メディアの自由な現地
取材と国際機関による調査を受け入れるとともに、ダライ・ラマとの事態打開への対
話を速やかに開始すべきである。
一、福田首相は胡錦濤国家主席とのきたるべき首脳会談にあたり、以上の世界とわが国
民の中国に対する懸念と憂慮の思いを正確に伝え、毅然たる姿勢をもってとりわけ日
中間の懸案打開への中国政府の対応を求めるべきである。
真・保守政策研究会