忠衛(たくぼ・ただえ)氏を起草委員会委員長として初会合を開いた。
本会でも、アジア・太平洋地域のパワーバランスを大きく変える要因の1つとして台湾の
今後の行方が挙げられ、中国の急激な軍備増強により中台間の軍事バランスが中国に有利
に傾きつつあることなどを踏まえ、昨年夏から「日米台の安全保障等に関する勉強会」を
開催して「政策提言」を取りまとめたが、産経新聞社もまた「中国の膨張は現憲法制定時
に想定されていなかった。今の憲法では対処できない」(田久保委員長)などの認識か
ら、新憲法案の要綱策定をするという。
起草委員会のメンバーは佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授、西修・駒沢大学名誉教授、大
原康男・国学院大学教授、百地章・日本大学教授とそうそうたる顔触れ。下記にその記事
をご紹介したい。
本紙が新憲法起草へ 安保環境激変に対応 委員会初会合「国新たにする覚悟で」
【産経新聞:平成24(2012)年3月27日】
わが国を取り巻く安全保障環境が激変、国内でも政治や教育の劣化が顕著となり、国家
としての対応が問われている。産経新聞社は国の根本的な立て直しには、新たな憲法が不
可欠との認識にたち「国民の憲法」起草委員会(田久保忠衛委員長)を発足させ、26日初
会合を開いた。委員会は「新憲法」の礎(いしずえ)となる要綱を来年5月までに策定する
方針だ。今後、わが国のあるべき姿などを「新憲法」に盛り込むための議論を重ねてい
く。
初会合では冒頭、田久保委員長が「中国の膨張は現憲法制定時に想定されていなかっ
た。今の憲法では対処できない」と限界を指摘。「国を新しくする意気込みで取り組みた
い」と抱負を述べた。出席した委員からは「日本国民は自分の手で憲法を作っておらず、
現憲法の異様さを示す」「戦後的価値観を生んだ現憲法は個人を絶対視し、家族や国家を
軽視する風潮を生んでいる」などと問題点が次々と指摘された。
産経新聞社は昭和56年元日の主張で現行憲法の欺瞞(ぎまん)性をメディアではいち早
く指摘した。以来、一貫して憲法改正の必要性を紙面で訴えてきた。わが国の将来を案じ
るときに、羅針盤となるべき憲法がこのままでは国家も国民も立ち行かなくなる恐れがあ
るという危機感からだった。
中国が尖閣諸島に触手を伸ばし、北朝鮮の核開発や拉致事件など、わが国の安全や主権
が脅かされる事態にも国家として十分に対応ができず、東日本大震災でも非常事態に対処
する規定が不備であるという憲法の欠陥が浮き彫りとなった。
本紙が創刊80周年を迎える来年6月に向けたプロジェクトとして「新憲法」作りを目指す
ことになった。紙面でも積極的に憲法を取り上げていく。
◇
■委員会の顔ぶれ
委員長
・田久保忠衛(たくぼ・ただえ)杏林大学名誉教授
委員
・佐瀬昌盛(させ・まさもり) 防衛大学校名誉教授
・西修 (にし・おさむ) 駒沢大学名誉教授
・大原康男(おおはら・やすお)国学院大学教授
・百地章 (ももち・あきら) 日本大学教授