2月22日、23日の両日、台北で開催された第1回「民間国是会議」が閉幕した。第一回目
の同会議は経済問題が討論され、同会議の総括を行った民主進歩党(民進党)の蔡英文主
席は、同会議の結論として10項目の政策主張をアピールし、政府の政策に取り入れるよう
求めた。
10項目の政策主張は、
1)不景気にあたり、政府は労働者を優先的にケアすべきであり、失業給付金を一年に延
長し、中小企業の支援を強化すべき。
2)失業対策は未来の産業発展に合致するよう雇用機会を創出すべき。
3)知識経済、文化創意産業、リゾート型農業等の生活品質を向上させる内需産業を引き
続き推進すべき。
4)地域社会の重要性を見直し、長期ケア等の社会福祉体系を構築すべき。
5)公共投資の拡大は、先見性を備え具体的経済効果のあるビッグプロジェクトを行うほ
か、弱者を支える社会体系の構築に用いるべき。
6)税制改革は長期的視点で、基本目標は社会公平であり、景気刺激の道具にしてはなら
ず、国家は十分な税収が必要であり、資本家に偏った減税は見直されるべき。
7)政府の財政を透明化し、財政赤字や債務の返済計画や、株価維持のためにつぎこんだ
基金等の国庫の情報を公開すべき。
8)企業救済制度のルールを確立すべき。救済作業を公平公正に、手続きを透明化すべき。
9)央政府は県市自治体に財源を与え、地方財政を改善し、地域間格差を縮小すべき。
10)両岸協議は、経済・貿易を何でも開放して中国に依存するのではなく、台湾製の産品
及び台湾企業に対する不公平な貿易障壁や政策、政治干渉を排除するよう先に中国に対
して要求すべきである。両岸協議は透明化し、国会と民間が参与する監督を受けるべき
であり、社会コンセンサスのない両岸包括的経済協力協定(CECA)を締結すべきで
はない。金融の両岸往来は、金融防衛システムの構築を前提とすべき。
このほか、黄昆輝・台湾団結連盟(台連)主席は、政府の間違った西進(中国進出奨励)
政策が台湾の中小企業の外部移転と大企業が中小企業を呑み込み「勝ち組」と「負け組」
に分かれ、貧富の格差が拡大するとの懸念を示し、「経済は見栄えのよい数字ばかり追求
するのではなく、貧富の格差是正に力を入れるべきだ」と主張した。
さらに黄主席は、馬英九政権が間違った政策を放棄せず、対中傾斜を続け、両岸CEC
Aを締結し、中国人学生の来台就学開放政策を強行するなら、「実際の行動で馬政府の間
違いを阻止し、罷免を発動することも辞さない」と警告した。