模原市の相武台公民館で8月19日まで台湾少年工の生活ぶり伝える展示会

神奈川県相模原市の相武台公民館において、7月25日から8月19日まで「戦争と平和展2」が開かれていて、「台湾少年工」の生活ぶりを伝える資料などを展示している。入場は無料だそうだ。

 本日(8月12日)は午後1時30分から3時30分、文芸評論家で「戦争と平和展2」実行委員長の涌田佑(わくた・ゆう)氏が「台湾少年工と高座海軍工廠」と題して講演するという。

 「戦争と平和展」というイベントは、大東亜戦争を「侵略戦争」と決めつける左翼的バイアスがかかった展示が少なくない。この「戦争と平和展」の内容をチェックせずにご紹介するのはいささか気が引けるが、台湾少年工をテーマとする展示会はほとんどないのでここに紹介する次第。

 下記に記事の冒頭が「太平洋戦争」で始まる「東京新聞」の記事をご紹介するが、太平洋戦争の呼称もいただけない。台湾少年工たちが軍属として戦ったのは「大東亜戦争」であり、戦陣に倒れた台湾少年工60名は靖國神社に祀られている。

 その点から、台湾少年工の歴史や生活ぶり、どうして靖國神社に祀られるようになったのかなどについては、野口毅編著『台湾少年工?と第二の故郷』(展転社、1999年)または石川公弘著『二つの祖国を生きた台湾少年工』(並木書房、2013年)をお勧めしたい。

 また、今年10月20日には李雪峰・台湾高座会会長ら元台湾少年工が来日し、神奈川県座間市において「台湾高座会留日75周年大会」(甘利明・歓迎大会会長)が開催される。台湾少年工を顕彰する石碑の除幕式などが行われるが、詳細は追ってご紹介いたい。

◆相模原市立相武台公民館 神奈川県相模原市南区新磯野4丁目1-3 TEL:046-256-3700  FAX:046-256-2803 HP:http://www.sagamihara-kng.ed.jp/kouminkan/soubudai-k/

————————————————————————————-台湾少年工、生活まざまざと 県央の軍需工場で戦闘機製造 相模原で展示【東京新聞:2018年8月11日】

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201808/CK2018081102000140.html写真:資料について解説する涌田さん=相模原市南区で

 太平洋戦争当時、県央地区にあった軍需工場「高座工廠(こうしょう)」で働いていた台湾の少年工の生活ぶりを伝える「戦争と平和展II」が相模原市南区の相武台公民館で開かれている。戦時下の状況がうかがえる貴重な資料約200点が並ぶ。 (福浦未乃理)

 現在の座間、大和、綾瀬、海老名の4市にまたがっていた高座工廠では、日本の統治下にあった台湾の13〜19歳の少年工約8千人が勤務。1942(昭和17)年から終戦まで戦闘機「雷電」の製造に携わり、工廠近くにあった宿舎の10畳ほどの部屋で8〜10ずつ寝泊まりしていた。

 会場には、地元の村から工廠に派遣されて世話に当たった目代(もくだい)貞子さんが戦後、30人の元少年工とやり取りした手紙などを展示。母親が恋しくて泣いたことなど、家族と離れて異国で働くつらさなどがつづられている。同時に、休みの日に鎌倉や江の島、映画を見に新宿に出掛けたことなども記され、日本の生活を楽しんでいたことも分かる。

 資料は、元少年工と文通を続けるなどした相模原市南区の文芸評論家涌田(わくた)佑さん(89)が提供した。涌田さんは資料を集める過程で少年工6人が空襲で亡くなったことを知ったといい、「平和を得るまでにはそうした犠牲もあった。歴史を知り、平和の尊さを考えてもらいたい」と話した。

 展示会は入場無料で19日まで。12日午後1時半〜3時半に、涌田さんが元少年工の手紙の内容などについて講演。15日の同じ時間帯には、少年工の宿舎で出された冷や飯や味の薄いみそ汁をはじめ、当時の食糧事情について話し合う会が開かれる。先着50人にすいとんが振る舞われる。問い合わせは同公民館=電046(256)3700=へ。


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