発表した。
日本経済新聞は「三木谷浩史会長兼社長は29日、台北市内で記者会見し、中国語を使って『台湾
は我々の世界展開で最も重要な市場だ』と強調した。これまで20カ国・地域で現地語のコンテンツ
を配信する体制を整備したが、アジアでは台湾が初めてとなる」と報じている。下記に記事の全文
を紹介したい。
台湾向けに電子書籍ストア「樂天Kobo電子書商店」を開設したのは、カナダのトロント市に本社
を置く楽天の子会社のRakuten Kobo Inc.(Kobo)。台湾の城邦出版集團や遠流出版公司、讀書共和
國、圓神出版集團、時報出版など12社と提携しているという。
なるほど、日本と台湾の提携はこういう分野もあったのかと気づかされた。楽天のプレスリリー
スでは「電子書籍ストアは、現地の専任チームにより管理されます。台湾の人気作家による小説や
ビジネス書、雑誌、旅行ガイドなど、中国語で人気の数千タイトルの豊富なラインナップを提供し
ます」「世界約190カ国で利用可能」と発表しているから、台湾の人々は日本に限らず世界のほと
んどの国で繁体字の旅行ガイドなどを読むことができるようになるらしい。繁体字を使う台湾や香
港にとっては朗報だ。
楽天、中国語の電子書籍配信 台湾出版社と提携
【日本経済新聞:2016年9月29日】
【台北=伊原健作】楽天は中国語の電子書籍の配信に本格参入する。29日、台湾の大手出版社12
社と提携し、世界で中国語(繁体字)の書籍を配信すると発表。世界の華人向け需要を取り込む。
台湾ではクレジットカードや旅行予約も手掛けており、電子書籍事業の強化によって利用者の囲い
込みをねらう。
三木谷浩史会長兼社長は29日、台北市内で記者会見し、中国語を使って「台湾は我々の世界展開
で最も重要な市場だ」と強調した。これまで20カ国・地域で現地語のコンテンツを配信する体制を
整備したが、アジアでは台湾が初めてとなる。世界共通のインターネットストアから購入すること
ができ、約190カ国・地域で台湾発の中国語のコンテンツが読めるようになる。
現地の人気作家の小説やビジネス書、中国語に翻訳した海外書籍など数千のコンテンツの配信を
開始した。「台湾だけでなく繁体字を読める世界の人々に使ってほしい」(同社)としている。
楽天は海外事業の立て直しを急いでいる。2月に競争が激しい東南アジアでのネット通販事業縮
小を発表した。インドネシアやシンガポールなどでサイトを閉鎖し、今後は中古品を売買するフリ
マアプリに転換する方針で、地域特性に合わせて事業内容を再構成している。
同社の台湾への参入時期は2008年からと比較的早く、昨年1月にはクレジットカード事業にも乗
り出した。旅行予約も手掛けており、海外で唯一、日本と同じように多様なサービスで利用者を囲
い込む「楽天経済圏」が整ってきている地域だ。電子書籍の本格展開で一段とサービスを広げ、そ
れぞれのサービスの拡大にも弾みをつける考えだ。