れました。謹んで哀悼の意を表しご冥福をお祈り申し上げます。
平成16年(2004年)12月31日、来日中の李登輝前総統一行が柏祐賢氏のご自宅を訪問、61
年ぶりに再会されたときのことを思い出します。この恩師との再会の場面は本会で取り扱
っているDVD「李登輝前総統来日特集」でもオリジナル撮影として出てまいります。ま
た、平成17年1月1日付の本誌でも、産経新聞記事を紹介していますので、ここに再録いた
します。 (編集部)
【3月18日 産経新聞Web版】
柏祐賢氏(京都大名誉教授、農業経済学)
柏祐賢氏(かしわ・すけかた=京都大名誉教授、元京都産業大学長、農業経済学)12日、
老衰のため死去、99歳。近親者で密葬を済ませた。本葬を4月7日に行う。喪主は長男久
(ひさし)氏。台湾の李登輝前総統が京大農学部に留学していた当時の恩師。
「会えてよかった」李登輝氏、京都で恩師と61年ぶり再会
【産経新聞 2004年12月31日】
来日中の台湾の李登輝前総統(81)は31日京都入りし、母校京大の恩師と再会した。
日本の台湾統治時代、京大農学部に留学していた李氏は、当時助教授だった柏祐賢・京
大名誉教授(97)と61年ぶりに再会。李氏は柏氏が「もういっぺん会えるとは思わなかっ
た」と言葉をかけるとほほ笑んだ。会談後に「(京大時代の先生で)生きているのは柏先
生だけ。会えてよかった」と話した。
柏氏の家族によると、2人は李氏の学生時代のことや、同行している家族を紹介するな
どして約30分間、談笑した。
李氏はこの日朝、初めて新幹線に乗車。車窓から降雪のためすっかり雪化粧した風景を
楽しんでいた。名古屋から京都に到着後、かつて通った京大農学部のキャンパスを見学。
「みんな変わった」と感想を述べた。当初、京大本部にも訪れたいとしていたが、警備上
の問題で断念した。
その後、雪が降り積もる銀閣寺を訪問。2005年の抱負について「台湾のアイデンティテ
ィーを強化しなければならない。台湾の変化の時期ではないか」と話した。
◇
「学生の時も大きな男だと思っていたが、こんなに立派になって…」。雪の京都市で31
日、台湾の李登輝前総統(81)と再会した恩師、柏祐賢・京大名誉教授(97)は、台湾で
頂点に登り詰めた教え子をまぶしそうに見詰めた。
京都入りした李氏は銀閣寺などを訪れた後、曽文恵夫人(78)らと、京都大時代に中国
経済を教えられた柏氏の自宅を訪問。居間のソファに並んで座り、61年ぶりの再会を喜び
合った。小柄な柏氏をいたわるように李氏が体を寄せ約30分間、笑顔で思い出などを語り
続けた。柏氏は著作集を、李氏は陶器などを贈り、李氏は柏教授の孫が差し出した色紙に
は「誠実自然」とサインした。
両家族で記念写真を撮った後、柏氏は「100年たっても師弟は師弟。いまだに先生と言っ
てくれるのはありがたい」と話した。