長からメッセージが寄せられ、先のレポートにあるように、早川友久・李登輝元総統秘書
と杉本拓朗・青年部長がそれぞれ代読して披露されました。ここにその全文をご紹介しま
す。
日本李登輝友の会の皆様へ
日本李登輝友の会の皆様、台湾の李登輝です。
このたびは小田村四郎会長からのお招きにもかかわらず、体調が整わず、皆様とお会い
できなくなったことをとても残念に思っています。皆様もさぞかし落胆されたのではない
かと思い、お詫びの言葉もありません。今後は体調を整え、次の機会に備えたいと思います。
私は、祖国であり母国の台湾の行末が気に掛かり、案じられてなりません。しかし、日
本で安倍晋三さんが総理大臣に就任されてからは、台湾を基本的価値観を共有する重要な
パートナーと位置づけられました。私の悲願でもあった台日漁業協定の締結に象徴される
ように、台日関係はよりいっそう深くなっています。
台湾と日本は運命共同体です。台湾なくして日本なく、日本なくして台湾は存立し得な
い関係です。
その点で、日本李登輝友の会の本年度の政策提言「日台関係基本法の制定」は大変重要
な提言であり、一刻も早く制定されることを待ち望んでおります。
本日講演される李雪峰先生は、台湾少年工の時代からリーダーの資質を発揮し、台湾高
座会の会長を長年つとめる、私もよく存じ上げている方です。昭和天皇の「ふりつもるみ
雪にたへていろかへぬ松ぞををしき人もかくあれ」という御製の精神を見事にその人生で
体現されている方でもあります。
本日の李雪峰先生による講演会のご盛会と日本李登輝友の会のますますのご繁栄、そし
て会員の皆様の御健勝を台湾からお祈り致します。
2013年5月10日
台湾元総統 李 登輝
ご参加の皆様へ
このたびは李登輝元総統からのお声掛かりで名代として訪日することになり、5年ぶりの
訪日を私自身大変楽しみにしていました。しかし、急に体調を崩して出席できなくなり、
皆様にご迷惑とご心配をお掛けしてしまいました。誠に相すみません。
心電図やCTスキャン、超音波などで検査し万全を期したつもりでしたが、服用してい
る薬の副作用で低血圧症を発してしまいました。しかし、症状は徐々に収まりつつありま
すのでご安心ください。ご心配いただいた多くの方にこの場をお借りし深く御礼申し上げ
ます。
私は現在、日本李登輝友の会のカウンターパートである李登輝民主協会の理事長の立場
にあります。日本李登輝友の会は民間ながら、台湾の大使館以上の役割を果たしてくれて
いるといつも感心させられます。また設立当初から台湾正名運動に取り組み、外登証問題
を解決して台湾出身者の国籍を中国から台湾に改正し、教科書執筆者も参照する資料の新
高山の標高を訂正させるなど、その活躍は目を見張るばかりです。そして昨年からは「政
策提言」を政府に提出し始め、今後ますます日本における日本李登輝友の会の重要性が増
してきているようで頼もしい限りです。
このたびピンチヒッターで講演いただく李雪峰さんは、1988年に台湾高座会発足と同時
に会長となり、今も会長を務めています。その一方で、李登輝民主協会発足のときから常
務理事をつとめています。私より一つ年上ですので普段は親しみを込め「叔父さん」と呼
んでいますが、その毅然とした姿勢に敬服し、心から信頼する方です。
今般は皆様と親しくお話しする機会を逸してしましたが、台湾においでになりましたら
歓迎いたしますので、ぜひお声を掛けてください。講演会のご盛会と皆様のご多幸を遥か
台湾よりお祈りしています。
2013年5月10日
李登輝民主協会 理事長 蔡 焜燦