フォーラムに出席し「指導者能力の修練」と題して講演、「指導者は『誠実自然』であるべき。国
民を騙してはいけない」などと話された。
フォーラムは、台湾の中央銀行総裁などを歴任した許遠東氏を顕彰する基金会が主催したもの。
中央通信社が伝えているので下記にご紹介したい。
本会台北事務所からの報告によると、講演で李登輝総統は「遺伝的にうちの家系には誰も糖尿病
がいないのに、私は糖尿病になってしまった。恐らく12年間の総統在任中のストレスが原因だろ
う。だから市長も気をつけるように」と出席していた柯文哲・台北市長に注意を促して笑いを誘っ
たという。
また、講演後にメディアから質問を受けると、日本語版の『最高指導者の条件』を取り出し、
「指導者にとって最も重要なのは『誠実自然』だ。『誠実自然』とは信頼、誠実、正直をモットー
とすることだ。権力を手に入れたからといって、幻想を抱き、国民を騙してはいけない。今の指導
者は『毎日きちんと寝ています』などと言っているが(馬英九のこと)、国民が不況や失業であえ
いでいるのに、どうして国家の最高指導者が毎日きちんと寝られるのか」などと非難されたともい
う。
台湾・李登輝元総統「指導者は誠実であるべき」
【中央通信社:2015年6月24日】
(台北 24日 中央社)李登輝元総統は23日、金融関係のフォーラムで講演し、国家の指導者のあ
り方として「誠実かつ自然体であるべき」と語った。
台湾では来年1月に次期総統選挙が実施される。李氏は理想的な指導者の条件を「権力を握った
後に幻想を抱かず、国民を騙そうとしないこと」と断言。一方で、国民を困らせるような指導者が
現れた場合、その人を選んだ有権者にも責任があるとの考えを示した。
また、李氏は総統時代の激務で糖尿病を患ったとし、会場に姿を見せた柯文哲・台北市長に「気
を付けた方がいい」と冗談めかして会場の笑いを誘った。李氏と柯氏は講演に先立って約20分間会
談を行なったという。
(葉素萍/編集:齊藤啓介)