族」の2族を単一民族と認定し、原住民族はこれまでの14族(アミ、タイヤル、パイワン、ブヌ
ン、プユマ、ルカイ、ツォウ、サイシャット、タオ(ヤミ)、サオ、クバラン、タロコ、サキザ
ヤ、セデック)から16族に増えている。
ちなみに、台湾では、日本統治時代に「高砂族」と呼ばれた元々台湾に住んでいた人々は「先住
民」ではなく「原住民」と呼ばれる。先住民には「すでに滅んでしまった民族」というニュアンス
があるため使われないという。その人口は約54万人で、台湾総人口の約2%を占める。
台湾の原住民の間には、台湾の土地は本来、自分たちの土地という意識が強いという。李登輝元
総統は一昨日、講演先で「原住民こそが台湾の土地の本来の持ち主だ」1980年代から行われた「台
湾原住民」の名称使用を求める運動は、尊厳を勝ち取るためだったと述べられたという。中央通信
社が伝えているのでご紹介したい。
本会の李登輝学校研修団では、中央研究院で原住民の研究を続ける黄智慧さんやアミ族出身の呉
明義氏(玉山神学院元院長)などを招き、原住民の歴史やその主張するところも学んでいる。台湾
の現状を理解するということが大きな理由だが、大東亜戦争時、自ら志願した人が多かったという
高砂義勇隊が多くの日本人将兵の命を救ってくれたことに対する感謝の念も込めてのことだ。
李登輝氏「先住民こそが台湾の土地の持ち主」
【中央通信社:2014年7月28日】
(新北 28日 中央社)李登輝元総統は27日、新北市政府で開催された台湾原住民(先住民)に関
する記念イベントで講演し、「台湾は本来原住民のもの」、「原住民こそが台湾の土地の本来の持
ち主だ」と語り、1980年代から行われた「台湾原住民」の名称使用を求める運動は、尊厳を勝ち取
るためだったと振り返った。
かつて台湾原住民は「山胞」などと呼ばれていたが、1984年12月29日に発足した台湾原住民権利
促進会などの長年の運動により、1994年に憲法で「台湾原住民」が正式名称として定められた。
李氏は1994年に文化建設委員会(現・文化部)が屏東県三地門郷で開催した「原住民文化会議」
の中で、総統として初めて「原住民族」という名称を使ったと振り返り、一連の運動は台湾の民主
化の上で重要なことであり、主体性構築のために欠かせないものだったと語った。
また、将来の台湾は多くのエスニックグループ(族群)や新しい時代の台湾の人がお互いに支え
合った多様な社会になるだろうと期待を寄せた。
このほか、原住民の持つ音楽、言語、スポーツ面での才能をどのように発揮させ、自らに自信を
つけさせるか考えることが重要だと述べた。
(黄旭昇/編集:齊藤啓介)