天理大学に「中国文化研究会」がある。中国語コースの発行する雑誌『中国文化研究』
を母体として、コースの教員を中心とした研究の交流を企図して2005年に発足している。
以来、年3回の公開研究発表会を行っているそうで、台湾をテーマとする公開研究会も少
なくなく、これまで台湾・阿里山郷のツォウ族出身の地理学者、汪明輝・国立台湾師範大
学地理学系副教授による「台湾原住民族文化運動の回顧と展望」(2006年第1回)や村上嘉
英・天理大学国際文化学部教授の「台日・日台辞典の歩み(2007年第1回)、蘭嶼島生まれ
のタオ人、シャマン・ラポガン氏による「海人と海洋文学」(2010年第2回)などを開催し
ている。
本日開く2011年度第1回公開研究会は、総統選挙をテーマとして「馬英九は蔡英文に勝て
るか」と題した講演を、朝日新聞の台北支局長をつとめた野嶋剛(のじま・つよし)記者
を講師に開催する。
台北支局長時代の野嶋記者の記事は、朝日新聞というイメージからいい意味で外れてい
て、朝日らしからぬ、台湾への思いがこもった記事が多かった印象が強い。最近、台湾赴
任直後から暖めていたテーマ『ふたつの故宮博物院』を新潮社から出したそうだ。
中国文化研究会での講演は、興味をそそられる演題だ。立法委員の補選でほとんど勝利
し、昨年11月の五大都市選挙でも善戦した民進党の蔡英文主席が現役総統の馬英九氏に挑
むのではなく、支持率低調の馬英九総統は上潮に乗った感のある蔡英文に「勝てるのか」
と打った新聞記者らしい演題だ。
◆ 天理大学中国文化研究会
http://www.tenri-u.ac.jp/home/chinese/kenkyu.html
◆ 野嶋剛氏プロフィール(野嶋剛氏のブログ「私は書きたい」より)
1968年5月6日、福岡市に生まれる。奈良と横浜、横須賀で育つ。大学は上智大学新聞
学科でジャーナリズムを専攻。朝日新聞に入社後、佐賀支局、久留米支局、福岡本部
など九州で6年ほど過ごし、2001年からシンガポール支局長に着任。ところが9・11テ
ロで特派員生活の半分をアフガン、イラクで過ごし、2003年に「イラク戦争従軍記」
(朝日新聞社)を出版。その後、政治部記者を経て、2007年から2010年まで台北支局
長。現在、朝日新聞東京本社国際編集部次長として、中国語マガジン「新鮮日本」編
集長を務める。
Facebook:Nojima Tsuyoshi Twitter: @nojima_tsuyoshi
天理大学中国文化研究会 2011年度第1回公開研究会
■ 日 時:2011年7月1日(金)午後4時30分〜6時
■ 場 所:研究棟第一会議室
〒632-8510 奈良県天理市杣之内町1050
http://www.tenri-u.ac.jp/info/Access.html
■ 講 師:野嶋剛氏(朝日新聞国際編集部)
■ 演 題:馬英九は蔡英文に勝てるか─激戦2012年総統選挙の展望
■ 申込等:参加無料。申込不要。
■ 主 催:天理大学中国文化研究会