明日、NHKBSが「三つの名を生きた兵士たち〜台湾先住民“高砂族”の20世紀」を放送

◆8月11日(土)午後4時30分〜午後6時 NHK・BS
◆三つの名を生きた兵士たち〜台湾先住民“高砂族”の20世紀
 http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2012-08-11&ch=10&eid=10998

 明日(8月11日)午後4時30分〜午後6時まで、NHKBSが「BSプレミアム」として
「三つの名を生きた兵士たち〜台湾先住民“高砂族”の20世紀』という番組を放送する。
ホームページでは下記のように番組内容を紹介している。

≪かつて日本の統治下にあった台湾。その山間部に、当時“高砂族”と呼ばれた人々の村
が点在する。戦時中、日本軍は、こうした村々から志願を募って部隊を編成。最前線に送
り込まれた高砂族の若者たちは、山岳民としての高い身体能力を生かし、目を見張る活躍
をする。しかし、日本の敗戦後、彼らを過酷な運命が待っていた。時の政権から弾圧され
る者。故郷を捨て大陸に渡る者。国家と戦争に翻弄され続けた民族の歴史を証言で描く。≫

 放送を見るまではなんとも言えないが、3年前の4月5日に放送された「NHKスペシャル
 シリーズ JAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国”」を見た方なら、「嫌な予
感」がよぎったのではないだろうか。

 この番組を紹介していただいた会員の方も「証言記録と謳っていますが、あのNHKが
新たに台湾で証言を集めたという話は聞こえてきていませんので、もしやジャパンデビュ
ー取材テープの焼き直しか? ならばジャパンデビュー編集との整合性は如何? などと
想像しながら、“怖いもの見たさ”でこれも録画予約して待っているところです」と書かれてきた。

 李登輝学校日本校友会が主催して毎年行っている「台湾出身戦歿者慰霊祭」における祭
文には、必ず高砂義勇隊に触れた一文が入っている。

≪このように台湾からは軍人8万443名、軍属12万6750名の、合計20万7193名が従軍されま
した。特に昭和17年6月には500名の強者を選抜、「高砂挺身報国隊」と名づけられた部隊
が結成され、フィリピンの第2次バターン攻略に参戦し、降り注ぐ弾雨の中、次々と進路を
拓き、橋を架けるなど、正規軍を凌ぐ大活躍をされました。

 殊に南方諸島特有の密林地帯での戦闘では、その敏捷性、優れた視聴覚、軍律を厳正に
保持する姿勢・態度は実に立派なものでした。南方各地の戦場から生還した多くの日本将
兵が「高砂義勇兵のお蔭で生き延びられた」と語っております。≫

 現在、自らを「原住民」と称し、日本統治時代に「高砂族」と呼ばれた台湾の人々で、
日本統治時代に生れた方は確かに「三つの名」を持つ。原住民名、日本名、そして蒋介石
独裁下で名乗らせられた漢名だ。

 例えば、NHK「JAPANデビュー」裁判の原告となったパイワン族の華阿財氏は、
NHKに対する抗議文の中で次のように記していた。「華阿財」はもちろん漢名だ。

≪私はパイワン族(排湾族 Paiwan)であり、パイワン族としての本名は「バジェルク・タ
リグ」(巴基洛克 達玄固 Valjeluk M,V,L)です。また、日本時代の戸籍には、日本名
の「松田勇」で登録してあります。≫

 実は、戦前生まれの台湾の原住民は、兵士でなくとも「三つの名」を持つ。しかし、台
湾では朝鮮では申請制だった「創氏改名」とは違い、「改姓名」という許可制だった。朝
鮮半島でも台湾でも、もちろん日本名は強制ではない。だから朝鮮半島での「創氏改名」
は87%に留まり、台湾の「改姓名」は1.6%に過ぎなかった。

 この番組では、台湾における「改姓名」をめぐる歴史的事実を正しく伝えているのだろ
うか、気にかかるところだ。

 また、この「兵士」という表現も気にかかる。通常は士官の指揮を受ける兵隊、すなわ
ち「軍人」を指す。しかし、高砂族出身者の多くは正規兵の「軍人」とは区別される「軍
属」だった。主に軍需物資の補給や輸送業務、または軍事施設の建設や維持管理などに当
った。通訳なども「軍属」とされていた。

 靖国神社に祀られているのは原則として「軍人・軍属」で、台湾出身戦歿者の「軍人・
軍属」のうち、李登輝元総統の実兄の岩里武則命(台湾名:李登欽)は海軍「軍人」とし
て祀られている。

 一方、NHK「JAPANデビュー」裁判の原告となったパイワン族の高許月妹さん
(日本名:黒崎はま子)の長兄の黒崎太郎命も靖国神社に祀られている。昭和17年12月28
日にニューギニアのギルワというところで戦死しているが、その身分が「海軍軍属工員」
だったからだ。

 ちなみに、黒崎太郎命が靖国神社に祀られていることが判明したのは、2年前の平成22
(2010)年9月のことで、高許月妹さんがNHK「JAPANデビュー」裁判のために来日
した華阿財氏に依頼し、靖国神社で調査していただいたことにより判明している。靖国神
社に合祀されたのは昭和35年10月17日、秋季例大祭のときだった。

 このように高砂義勇隊の方々を「兵士」としているところに、少なからぬ疑問を覚える
このNHKBSの「三つの名を生きた兵士たち〜台湾先住民“高砂族”の20世紀』という
番組だ。NHKお得意の「詐術」が混じっていないか、心して見てみたい。


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