日本台湾医師連合など5団体が「台湾の WHOへの完全加盟を求める」声明

 台湾では武漢肺炎の国内感染者が13日連続ゼロとなり、武漢肺炎の押さえ込みに完璧に成功していると言ってよい。

 日本は、米国とともに2002年5月14日に台湾のWHO年次総会へのオブザーバー参加支持を表明して以降、一貫してその姿勢を崩していない。これまで世界でもっとも拠出金を出してきた米国も同じだ。台湾がWHOに参加できないのは、中国が「一つの中国」原則を楯に邪魔しているからに他ならず、WHOも中国に同調しているからだ。

 5月にジュネーブで開かれるWHOの年次総会を前に、昨日の産経新聞の報道によれば、米国のジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使は、米国がWHOはもちろん台湾が役割を果たせる国際的な場を増やしていくとして「台湾が重要事項に関する国際的な議論へ貢献できるよう引き続き支持していく」「台湾が今後、新型コロナとの戦いで国際的な議論に貢献できるという意味において、ウイルスの収拾に成功してきた台湾の意見に耳を傾ける価値はある」と表明したそうだ。

 その表明に符節を合わせるように、日本に在住する台湾出身の医師団体である日本台湾医師連合、怡友会、北関東台湾歯科医師聯誼会、健幸会の4団体と、日本在住台僑を統括している全日本台湾連合会の5団体は4月24日、共同声明として「台湾の WHOへの完全加盟を求める!」を発表した。

 下記にその声明全文と中央通信社の記事をご紹介したい。

—————————————————————————————–台湾の WHOへの完全加盟を求める!

 世界保健機関(以下、WHO)は、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された専門機関である。しかし、この度、中国湖北省武漢市で発生したと言われる「武漢肺炎」の一連のパンデミックに対応しきれなかった。もし、WHOが初期段階において台湾政府からの助言を聞き入れていたら、ここまで甚大な被害は広がらずに済んだだろうと各国が認めている。

 WHOから医療先進国である台湾を排除することは、WHOの精神に大きく違反する上、世界人類にとっても大きな損失である。

 従って、一日も早く台湾のWHO正式加盟を認めるよう求め、関係各国の支援をお願いする次第である。

  2020年4月24日

  日本台湾医師連合  怡友会  北関東台湾歯科医師聯誼会  健幸会  全日本台湾連合会

—————————————————————————————–「台湾を正式にWHOへ」 日本在住の台湾人医師らが共同声明【中央通信社:2020年4月https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202004250004.aspx

 (東京中央社)日本在住の台湾人医師などからなる5団体が24日、台湾が完全な形で世界保健機関(WHO)に参加することを希望する共同声明を発表した。

 声明では、WHOが新型コロナウイルスのパンデミックに「対応しきれなかった」と指摘。「もし、WHOが初期段階において台湾政府からの助言を聞き入れていたら、ここまで甚大な被害は広がらずに済んだだろうと各国が認めている」との見解が示された。

 その上で、医療先進国である台湾を排除することは「WHOの精神に大きく違反する上、世界人類にとっても大きな損失」とし、「一日も早く台湾のWHO正式加盟を認めるよう求め、関係各国の支援をお願いする」と呼び掛けている。

 共同声明に名を連ねたのは、日本台湾医師連合、怡友会、北関東台湾歯科医師聯誼会、健幸会、全日本台湾連合会。

 日本の安倍晋三首相は17日の記者会見で、来月開かれるWHO総会への台湾のオブザーバー参加を支持する日本の姿勢を表明している。

(楊明珠/編集:塚越西穂)

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