定」を締結した。調印式には台湾側からの懇請により、松山の「鉢合わせ」という神輿祭
りが初めて海外でお披露目されたことを本誌でお伝えした。
そのとき、「豊かな温泉場を持つ日本と台湾ならではの『温泉友好交流』だ。これを機
に、他の温泉にも台湾との温泉交流が広がることを期待したい」と書いた。
その松山市の道後温泉が今度は日台友好を念じた「こども神輿」2基を台北市に寄贈する
という。この神輿は19日に始まる新北投温泉祭りで台湾の子供たちがかつぎ、展示して披
露されるという。
嬉しいのは、台北市から「神輿の贈呈に影響ない」という親書が届いたことだ。読売新
聞の記事を下記に紹介したい。日台の草の根交流は、中国のように政治に影響されること
がほとんどなく、澱(よどみ)もない、日本と台湾ならではの関係だ。
日台友好神輿贈る 道後の旅館組合
【読売新聞:2012年10月6日】
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20121005-OYT8T01574.htm
道後温泉旅館協同組合が、松山市と交流する台湾・台北市へ2基の「こども神輿(みこ
し)」を贈ることになり、松山市湯之町の道後商店街で5日、お披露目の式典が開かれた。
昨年11月、台北で披露した松山の秋祭り名物「神輿の鉢合わせ」が大好評だったため、友
好の証しとして展示してもらう。尖閣問題などの緊張もあるなか、集まった旅館経営者ら
が「民間の力で交流を深めよう」と誓った。(林興希)
松山市の松山空港と台北市の松山空港を結ぶチャーター便の創設を中村知事が目指して
いることから、両市は交流が活発。昨年11月には、道後温泉と台北最古の新北投温泉が友
好交流を締結した。その際、台北市恒例の新北投温泉祭りがあり、松山市から持参した2基
の大神輿で鉢合わせを披露し、台北市民の好評を得て、新調したこども神輿を贈ることに
なった。
道後地区の八町会が協力し、今年6月から2基を制作。通常1年以上かかるところを4か月
で完成させた。一つは高さが1・1メートル、重さ90キロ、もう一つは一回り小さめで、金
と黒が基調。天井部分には道後温泉のシンボル「湯玉」の模様が施された。
式典では、同組合の大木正治理事長が、今月1日に台北市側から尖閣問題での国際情勢の
緊迫は「神輿の贈呈に影響ない」という親書が寄せられたと紹介し、「神輿を通じて生ま
れた縁で、台北と日本、道後温泉と新北投温泉の友好を深めたい」とあいさつ。中村知事
は「国の政治には衝突があるが、地域間にはない。粋な交流で日台の友好の懸け橋となっ
てほしい」と話した。
2基は今月7日に航空便に載せられ、19日に始まる新北投温泉祭りに地元の子どもたちが
日本式の法被姿で「せり」を披露する予定。その後は、片方が新北投温泉で、もう一つが
台北市で保管・展示される。